2018.08.28 Tuesday

知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術 池上彰 佐藤優

池上彰と佐藤優の共著で、世界が抱える様々な問題を徹底解説している。

私はこの2人の本をよく読むのだが、普段から読んでいる身からすると、日頃から解説してくれている問題を、最新版にアップデートしてくれるような感じの本である。

PCでwindows updateをかけて最新版にするような感覚である。

また、いつもの本と比べて口語体の感が強く、本を読んでいるというよりTVで解説を聞いている感がある。



北朝鮮問題、日本人の劣化、トランプ、独裁下といったテーマで語られており、今日の世界を理解するにはお勧めの本である。

北朝鮮問題で、拉致問題に関してトランプに委ねると、トランプが納得して持ち帰った返答を無下に否定することができず、日本にとって受け入れられない返答だった場合どうするのか、という点は考えさせられた。

やはり自国民の生命に関することは、他国任せではなく、日本で交渉すべきである。
普段勇ましいことを言っている方から、こういう声があまり聞こえないのは何故!?

またカジノは賄賂を渡すには最適の場所らしく、そりゃあ政治家の皆さん法案を通したがるのよく分かりました(笑)

日本人の劣化の章で、金環蝕という汚職事件を題材にした作品で、総理夫人によって追い詰められた官僚が死ぬというシーンがあるとのこと。

どこかの総理夫人と似てないか…

最後に何かと最近ブームなAIについても書かれているのだが、今後AIビジネスを引っ張る国に関しては、佐藤氏の見立てはやや違うかと思えた。

もちろんお勧めの本である。

2018.08.27 Monday

燃えよ左腕 江夏豊

日経新聞で連載された「私の履歴書」に、大幅加筆された江夏豊の半生。

阪神タイガースの伝説の左腕の本ということで、発売とほぼ同時に購入。

真っ直ぐしか投げられず、しかもノーコンでプロ入りした江夏が、カーブを覚え、アウトコースへの絶妙のコントロールを身につけて、エースへの階段を上がっていく。

もう1人の伝説の投手である村山実とともに、球界を代表する生え抜き投手が2人も同時に活躍している時代があったというのは羨ましい。

やや話がそれてしまうが、ノーコンを克服した江夏豊に藤浪晋太郎を預けてみてはどうだろうかと、私は密かに思っている。

この本の話に戻ると、江夏の三振へのこだわりは生半可なものではなく、節目の三振は王さんから取りたいと考え、それを見事に実行できるのはさすがである。



阪神からトレードで南海に移り、ノムさんと出会い、球界に「革命」を起こす。

リリーフ投手として大活躍し、投手分業に一役買うことになった。

ノムさんに関しては、監督として、4番打者としては認めているが、捕手としてはあまり認めていなかったようである。

とは言え、ノムさんとは仲が良く、江夏のお子さんをノムさんがお風呂に入れてくれたりしたらしい(笑)

その後、ノムさんの南海監督解任と同時に、ノムさんを慕っていた江夏もチームを離れることに…

優勝請負人として、それから複数の球団を渡り歩くが、広島時代の江夏の21球がもっとも有名なエピソードであろう。

その広島でチームメイトとなった衣笠さんへの最後のメッセージは…

泣けてくる…

2018.08.26 Sunday

私が選ぶ名監督10人 野村克也

ノムさんが名監督10人を選び、それぞれの監督について解説している本。

その10人にちゃっかりご自身野村監督を入れているのはご愛敬(笑)

ノムさんがまだ選手だった時代に、間近で接してきた監督さんが多く選ばれているので、私は世代的に名前しか聞いたことがない監督さんが多かった。

とは言え、伝説の監督さんがどのような方だったのかを知ることができ、マネジメント術などは参考になる。

10人の監督を「監督の5分類」で分類しているのだが、すべてに当てはまる川上監督はどれだけすごい方だったんだろうと思えてしまう。

その教え子である長嶋監督、森監督、王監督と3人もの方が名監督に選ばれている点からも、その影響力が窺い知れる。、

「選手の動かし方」で分ける監督の5類型
「管理」=川上、広岡
「納得」=川上、水原、森、落合、野村
「情感」=川上、三原、西本、星野
「報酬」=川上、鶴岡
「実績」=川上、長嶋、王



ノムさんが若手選手だった南海時代の監督さんで、何かと対立していた鶴岡監督を選んでいるのは、ノムさんの優しさか!?

今の時代に名監督といわれる巨人の原監督や、日本ハムの栗山監督はノムさんから見たらまだまだなのか?

金本監督はやはり論外なんだろうな…(笑)

2018.08.25 Saturday

AI vs.教科書が読めない子どもたち 新井紀子

AIが何かと注目されている昨今、書店でも「注目の本のコーナー」等においてあり、とても話題になっている本。

佐藤優氏も、この本を絶賛しており、遅ればせながら購入。

AIに携わる会社に勤めているので、もう少し早く読むべきなのは反省点…

東大合格を目指した「東ロボくん」という名のAIのレベルアップ過程を紹介しながら、AIの基本的な知識を解説してくれている。

これだけなら、普通のAI解説本なのだが、この本はそこらのAI本と一味違う。



「東ロボくん」だけでなく、AI全般にいえる事として文章を理解することができるわけではないので、読解力が弱点とのことである。

それならば、AIが人間を超えることはないと思いきや、中高生の読解力にも大きな難があるとのこと。

読解力は弱いが細かな設定をすればデータ分類等の業務を完璧にこなせるAIと、読解力が弱い人間とでは、あなたが経営者であればどちらを使うだろうか?

私はこの本を読み、世界の将来がやや不安に思えたのと同時に、読解力さえ身につければ人間はAIに負けないと希望も持てた。

現代社会の最大の問題提起とも思えるこの本を、ぜひ多くの方にご一読いただきたい。

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