2022.09.30 Friday

組織で生き延びる45の秘策 池上彰 佐藤優

池上彰氏と佐藤優氏の名コンビ(?)が、著名な方の生きざまを振り返りながら、組織で生き延びる方法を対談形式で解説していく本。

乃木希典、田中角栄、ドナルドトランプ、山本七平、李登輝、オードリーターン、アウンサンスーチー、ドストエフスキーという国籍や性別、生きた時代や職業も異なる面々の生き方を解説しながら、組織で生き延びるための方法論を学んでいく。

最初に取り上げた乃木希典の章では、人が合理的に判断できる場面は限定的である(限定合理性)が、そのような時は限定合理性の中で戦っていることを肝に銘じておく冷静さを失ってはいけないとのこと。

言っていることは分かるのだが、限定合理性の中で戦う時はピンチの時であって、そのような中で冷静に戦うのは難しいように思う。

私ならそのようなピンチが頻繁にある組織ならすぐに逃げ出すと思う。

田中角栄の章では、佐藤氏の田中角栄に対する見立てが厳しすぎる。

田中真紀子への恨みもあるのだろうか?(笑)

頭脳明晰な点は認めてはいるものの、日中国交正常化に関しては時期尚早であり暴走であったとのこと。

他者とは大きく異なる斬新な視点だったので興味がある方はぜひ目を通してほしい。

トランプに関しては、結果オーライだが外交に関しては成果を出した点と、「下品力」も突き抜ければそれはそれですごいとのこと。

褒めているのか貶しているのかよく分からないが(笑)組織で生き残るには部下を信用しろとのこと。



個人的には、ドストエフスキーの波乱万丈すぎる人生には驚かされ、この人の一生を本にすれば面白いのにと思えてしまった。

2022.09.27 Tuesday

異論正論 石破茂

私は政策によっては、石破氏とは真逆の考え方を持っている。

ただこの人とは会話、議論はできるのではないかと思っていて、どこかの総理の"なんちゃって聞く力"ではなく、本当に聞く力を持っているように思える。

また言いづらいこと、政治家としては票につながりづらい内容についても持論を展開している点などは、バラマキ主義や風見鶏な政治家よりも評価できるのではないか。

専門と思える安全保障の問題以外にもご自身の意見を持っており、日々勉強されているのが分かる気がした。

そうやって勉強に励んでいるからか大きな派閥を形成できないということは、大きな派閥の頭領は普段は勉強していないのか?(笑)

本全体として口語体で書かれているので、政治的な話題が苦手な方にも読みやすいように思える。



この本の中で語られている地方創生、可処分所得から見た本当の豊かさに関しては、私も賛成で地方を元気にしないと日本が元気になるのは厳しいと思う。

石破氏の鳥取県の良いところ自慢を聞くと、私も一度足を運んでみたくなった。

2022.09.26 Monday

虚空の人 清原和博を巡る旅 鈴木忠平

「嫌われた監督」という本で、中日ドラゴンズ監督時代の落合博満を追いかけ、徹底した取材力で驚かされた鈴木忠平氏の新作である。

鈴木氏の新作であること、扱う人物が清原和博ということで思わず購入してしまった。

率直な感想を言うと、「嫌われた監督」においては、落合監督はとっつきにくい印象を持ちやすいが、実際にはその逆な部分も多く意外に人間味があったり、「さすが三冠王!」と唸らせるエピソードも多く、読み終えた後の満足感がった。

ただこちらの本は、清原和博の意外な部分で親近感を持ちやすいところもあるのだが、心の奥底の弱い部分を取り上げていることが多く、どうしても読み終わったあとの爽快感に欠けてしまう。

とは言え、さすがの取材力でPL学園に入学する前の清原、その頃からの友人たちとのエピソード、桑田真澄との関係、そもそもPL学園がどうして野球に力を入れたのかなど、自分が知らなかったエピソードも多く読み応えがあった。



個人的には、何故に関西人なのに阪神タイガースではなく讀賣ジャイアンツにこだわり続けたのか、そのあたりの背景も知りたかった。

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