そらそうよ！！

佐藤優氏が、中学3年生に対して行った3日間の特別講義を書籍化。

読解力、行間を読む力の重要性を説き、教科書ならぬ強化書ということで、読解力の鍛え方について解説してくれている。

佐藤氏によると読解力を鍛えるには、自分とは異なる考え方の人と付き合うことが必要とのこと。

だが実際にそれは難しく、そこでお勧めの方法として小説を読むこと、それも一流の文学作品を読むことを勧めている。

読書の際に“要約”と“敷衍”をすることで内容の理解が飛躍的に高まるらしい。

（※敷衍:文章はそのままで、それをより詳しく、かつ理解しやすいように言葉や表現を変えながら話を広げていくこと）



授業では、三浦綾子さんの長編小説である「塩狩峠」をテキストとして、中学生と読み解いていくのだが、人生観や宗教観に触れる内容でやや難しい本だと思うのだが、皆さん佐藤氏の解説についてきており感心させられた。

警視庁公安部、それも外事課となると、我々一般人はなかなか接点がなくイメージが湧きづらい。

そんな部署を分かりやすく、具体的なエピソードも交えて分かりやすく解説してくれているのがこの本である。

インテリジェンス関連の本と言えば、外務省出身の佐藤優氏の本をよく読むのだが、勝丸氏は警察側からの視点で書かれているので、外務省視点との違いが分かり面白い。

公安の捜査員としての一部と、公安外事課の交換連絡担当としての二部とに分かれているのだが、問題を起こす外交官の後処理のエピソードが多い二部が個人的には印象に残った。

と言うのも、勝丸氏は各国大使の信頼を獲得することに優れていて、私も外国人と仕事をすることが多い身なので、学べる点が多かった。

もちろんこの本を参考にして、変な外国人勢力に取り込まれないように注意しないと(笑)



この本の中ではインテリジェンスのプロのテクニックの一部が紹介されているのだが、JR大塚駅のホームは、尾行をまく絶好の場所らしいので一度行ってみよう！

そこでキョロキョロしている人がいたら、尾行をまこうとしている人か、この本の読者だと思う(笑)

コンサルタントの山口周氏が、北野唯我氏、近内悠太氏、養老孟司氏、小川さやか氏、高橋祥子氏、井上智洋氏、広井良典氏とそれぞれ対談形式で、アフターコロナの世界をどうやって生きるかを語り合う。

対談のテーマは日本の社会システムの問題点、贈与を介しての人間関係、都会と田舎の情報量（ノイズ）、セレンディピティ、ベーシックインカムなどなのだが、現代社会が抱えるテーマだったり、今まで考えたこともない斬新な考え方だったりと面白い。

でも個人的に一番面白かったのが、山口氏は北野氏と仲がいいんだなと思えたところだったりするのは内緒(笑)



対談形式のため口語体で読みやすい本である。

広島東洋カープ、讀賣ジャイアンツで長年打撃コーチを務めた内田順三氏。

選手として13年、引退後もコーチ・二軍監督といった指導者として37年と、50年もの間ユニフォームを着ていたというのだから、これぞプロの中のプロといった経歴である。

ただ恥ずかしながら、私はこの方を存じ上げなかったのだが、本を読んでいくとまず驚くのが文章力の高さである。

野球関係者の本は、口語体で書かれた学生の作文みたいなものが多く、本と言えるのはノムさんくらいではないだろうか。

ところが、この内田氏の本もボキャブラリーが豊富なだけでなく、バッティングの技術を言語化して分かりやすく言葉で伝えるのが上手く、技術面の解説を読んでいると「なるほど〜」と思え、内田氏のアドバイスを参考に素振りをしたりしてしまう(笑)

本でこれだけすごさが伝わるのだから、実際に指導される選手は、内田氏のすごさをすぐに理解できるのではないだろうか？

阿部慎之助、坂本勇人、岡本和真、新井貴浩、鈴木誠也を育て、FAで入団してきた落合博満、清原和博からも一目置かれるのも当然だと思えた。

そのようなすごい指導力があるだけでなく、自分の家の裏にネットを張り若手に打撃指導したり、入寮して若手と一緒に生活しながら二軍選手を指導するとか、その行動力にも感服させられた。

あと本当にすごい打撃コーチというのは、アベレージヒッターもパワーヒッターも指導できるんだというのも驚きであった。



内田順三氏と清原和博氏の対談も掲載されていて、プロ野球ファンには読み応えあり！

この方が阪神タイガースに来てくれて、佐藤輝明や大山悠輔を指導したら強力クリンナップができるのに！