2018.11.19 Monday

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 山口周

世の中には、MBAプログラム等で学ぶ技術を解説して、ビジネスの方法論を紹介する本は多い。

ところが、この本はそのような本と大きく異なり、美意識を鍛える重要性を説いている。

著者である山口氏が仰るように、誰もがMBAの方法論を学べば、企業が選択する施策がどれも同じになってしまう。

それでは差別化が図れないというのは、まさにその通りだと思える。

また経営学者として有名なミンツバークの指摘でもあるのだが、経営は「アート」「サイエンス」「クラフト」の混ざり合ったものであるとのこと。

しかし現在は過度に「サイエンス」と「クラフト」が重視されている点が問題であるとのこと。

恥ずかしながら、この考えは初めて聞いたのだが、これはとても納得させられた。

ここからは私の考えなのだが、その会社や経営者と相性がいいというのは「アート」の部分の価値観が近いのだと思える。

抽象的な話になっても、お互いが「アート」の部分で理解があるので、話が通じるように思える。

また「アート」と「サイエンス」が議論になると、「アート」が負けてしまうという点は、実は私が常日頃悩んでいることだったので、とても共感してしまった。



これ以外にも、エリートと犯罪といったテーマや、日本企業で問題が色々と発生している改ざん問題の背景についても解説してくれているのだが、その指摘が秀逸すぎる。

山口氏の本を読むのは初めてだったのだが、他の本も読みたいと思えるような本である。

2018.11.18 Sunday

決断=実行 落合博満

落合監督の本を読むのは初めてだったのだが、これがまた面白い。

野球関係者だけでなく、経営者や政治家も読んだ方が良さそうに思える。

現役時代の話を交えながら、監督としての心構えや自らがとった行動について、その背景などを解説してくれている。

監督としてユニフォームを着るときに「自分ができたことを伝えるのではなく、自分ができなかったことを勉強する」ということを肝に銘じたらしい。

また、指導者にとって一番怖いのは、自分が何でも知っていると勘違いしてしまうことだ。

これは選手から何か質問をされた時、「それは分からない」と言っては指導者失格だろうと考え、「何でも知っていなければいけない」という誤った使命感による場合もある。

バッティングに関してさえ、まだまだ知らないことはいくらでもある。そうなると、自分が経験してきたことしか伝えることはできない。

そのような理由で、投手に関してはすべて森繫和コーチに任せていたようである。

この本の中で、落合監督と森コーチの色々なエピソードを知ると、当時の中日が強かった理由がよく分かる。



意外なところでは、「少数意見に関する考え方」「組織は小さなピラミッドとの集まりと考える組織論」が、落合監督の価値観が垣間見れて面白い。

現役の野球チームの監督だけでなく、経営者や政治家でここまで考えている方はいるのだろうかと思ってしまう。

この方に関しては、好き嫌いが分かれる方だと思うが、あまり好きではない方も読んで頂ければ、落合監督への見方が変わると思う。

2018.11.04 Sunday

巨人・阪神 失敗の本質 野村克也

「外野手出身の監督に名監督はいない」という持論を持つノムさんが、高橋由伸が辞任した巨人と、金本知憲が辞任した阪神の現状を嘆く。

巨人に関してはかなり手厳しく、高橋監督に対して「野球哲学はあるのか」「無策すぎる」と辛辣な批判が多い。

捕手の小林に対しても、リードや構えに対して問題点を指摘している。

ただ小林が打てないことに対しては、捕手は守備優先ということで少しかばっている。

また菅野智之に対しては、往年の名投手と比較して絶賛しており、岡本和真に対しても期待しているようである。



阪神に関しては、ご自身が阪神監督時代に苦労したこともあり、金本監督への批判は少なく同情している。

「阪神が甲子園で勝てない理由」として、ファンからのプレッシャーが大きいのが、勝てば励みになるが、負けたときはツラいという本音を語っている。

また阪神の選手では、右の大砲である中谷将大に注目しているようなので、来季は活躍してノムさんを喜ばせてほしい!

この本は、巨人と阪神がテーマの本だが、他球団についても語っており、他球団のファンが読んでも楽しめると思う。

日本シリーズで強肩を魅せつけてくれたあの選手についても語ってます。

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