2015.01.24 Saturday

田中角栄 権力の源泉 大下英治

昨年末に発売された大下英治氏による田中角栄に関する本。
大下氏の本らしく新書のレベルを超えた分厚さで、いかにも読み応えありそうな本。

田中角栄の人生に、小佐野賢治の人生を交えたような形で話は進んでいく。

第1章は、幼少時代から国会議員になるあたりまでのことが書いてあるのだが、幼少時代のエピソードが事細かに書かれており、大下氏の取材力には驚かされる。
「真横で見てたんかい!」と言いたくなるような細部まで書かれており、読んでいる者も田中角栄を知り合いかと錯覚しそうになるくらいである。

また当時の人にしては珍しく、自分のキャリアアップのためなら、スパッと職を辞め次の職に移るといったことをしており、意外な一面に思えた。

第2章は、大臣から幹事長までの時代が書かれている。
田中角栄は選挙に強い人なのだが、自分自身が経営する会社を挙げての選挙活動、有権者を新潟から東京の目白へある田中邸へ招待といった、今の時代では考えられない手法がとられている。
あれっ?最近、群馬の有権者を東京に旅行に連れていったことが問題で辞任した女性大臣がいたような…w

また小学校しか出ていない田中角栄が、大蔵官僚をどのようにして味方にしていったか。
お金を使った手法は真似しづらいが、細かい気遣いは上に立つ者の心得として興味深い。

第3章は、内閣総理大臣田中角栄。
総理として最大の功績は、やはり日中国交回復であろう。
中国との交渉の席でのやり取りは、やはりさすがとしか言いようがない。

しかし栄華は長くは続かない…
(そのためこの章は短い…)





第4章は、ロッキード事件。
内容はご存じだと思うが、田中角栄がアメリカのロッキード社の代理店である商社丸紅の請託を受け、全日空にロッキード社の新型旅客機であるトライスターの選定を承諾させ、その謝礼として5億円を受け取ったとされた、受託収賄罪事件のことである。
この事件は「アメリカが嗾けたことによる検察の暴走?」とも思えない事もないのだが、起訴されても田中派の結束は固く、さらに選挙にも勝ってしまう田中角栄の人気はすごい。

第5章は、田中派のお家騒動。
他の派閥の人間を担ぐことで、キングメーカーとして影響力を行使したい田中角栄と、自派閥から総裁(総理)を出したい若手議員との対立。
この若手の中に、竹下登、橋本龍太郎、小渕恵三、梶山静六、小沢一郎、羽田孜といった首相クラスの錚々たるメンバーがいた。

対立したとはいえ、これらの大物を育てた田中角栄恐るべし。

この本を読み終えて、もう少し田中角栄のことを知りたくなってしまった。

2015.01.02 Friday

日テレHDがティップネスの株式取得完了

昨年のニュースになってしまうのだが、平成26年12月25日に日本テレビホールディングス株式会社が、株式会社ティップネスの全株式を取得したとのこと。

この結果、ティップネスは日本テレビホールディングスの完全子会社となった。

ちなみに暫定の買収価格は、23,872百万円とのこと。
約240億円とはすごすぎる。

2015年の年末はぜひ「笑ってはいけないスポーツジム」で。

でも未だにテレビ局がスポーツジムをグループに入れるメリットが全く分からない…

2015.01.01 Thursday

リーダーのための「人を見抜く」力 野村克也

あけましておめでとうございます。
2015年も、何とぞよろしくお願いいたします。

今年の最初は何度も取り上げているノムさんの本。

ただ、この本は野球の本と言うよりリーダー論である。
とは言え、具体例が野球の話なので、野球が分かっている方が楽しめる。

第1章の、私は人の「この一瞬」に着目する。

ここでは野村監督が、現役時代そして監督時代にどのような点に着目して人を判断してきたがが書かれている。
野球での具体的な事例が書いてあるのだが、ビジネスマンが会社で人を判断する際の良いヒントになる。

この中で「鈍感は悪である」と書かれているのだが、私はこの点に100%賛成である。

管理職をやっている方で、スタッフに指示を出したときに、趣旨を理解できないスタッフに遭遇したことはないだろうか?
そういうスタッフは仕事ができなく、とんちんかんな行動で足を引っ張る…

第2章はどんな人間か本質を見破る方法。

ノムさん独自の「超一流」「一流」「超二流」「二流」の言ったタイプ分けと、それぞれに合った指導法。

選手の親御さんも含めた挨拶の重要性と言ったことが書かれている。

挨拶と言えば、企業にいると派遣社員も社内にいるが、なんとなく「この人は派遣社員なんだろうな」ということが察知できる。

こちらが挨拶をしても、オドオドしていて会話にならなかったり、ボキャブラリーに乏しいのか単語で話す方は派遣が多い気がする。





第3章は、「人」を見抜いて指導する。

ここでは、選手それぞれのタイプに合わせて、具体的に選手にどのような指導をしたのかが書かれている。

実はノムさんの本の愛読者なら、誰でも知っていることだったりして(笑)

第4章は、個々の適性を洞察して組織を伸ばす。

適材適所の必要性、派閥を作らせないと言ったことが書かれている。

これは民間企業でももちろん重要なことなのだが、レベルの低い会社は「好き嫌い人事」が横行しているように思える。

何となく気が合う人を社長に近くに置き、あまり気が合わない人を社長から遠いポジションに置く。

これでは能力で人員を配置していないので、結果が出ずに会社が空中分解してしまう。

ちなみに年商10〜20億程度の会社は、そういう企業が多いというのが経験上の私の見解

この本は中間管理職以上の方が読めば、面白いと思える本だと思う。

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