2022.04.17 Sunday

リスクを生きる 内田樹 岩田健太郎

哲学者の内田氏と医師の岩田氏というまったく畑違いの分野の2人の対談で、現在の日本の問題点を厳しく指摘している本。

第1章では、日本のコロナ対策の問題点を鋭く指摘してくれており、岩田氏によると「僕は感染症のことが分かっている」という医者で、本当に分かっている人は少ないとのこと。

それで問題点を指摘して疎まれる岩田先生…(笑)

このように感染症の問題からスタートしたのだが、内田氏が大阪の高校の統廃合問題から「弱者は立ち去れ」という東京的なゲームをやっている維新の会の問題点、東京一極集中問題、反知性主義の終焉と見事に脱線していくのだが、それぞれの指摘ポイントが切れ味抜群で適格だと思う。

第2章では、査定といじめの相似構造というテーマで、前章でも少し触れた教育の問題点から、内田氏が合気道の視点から組織論を語っており、これもまた面白い。

また教育が市場化されたことで、格付けが生まれ、そうすると多様性は失われてしまう。

その結果として、日本人がノーベル賞を獲得するのは困難になるという、市場化されたことで市場価値を失ってしまう結果が生まれてしまうそうなのが何とも言えない。

第3章は不条理がテーマなのだが、それに加え今までの内容のまとめ的な感じになっている。



対談形式なので口語体で書かれており、あまり分厚くもないので(とは言え鋭い指摘が多数あり)興味がある方は是非読んでみてほしい。

私は、このお2人は多数派、体制側に堂々と意見を言えるところが大変似ており、それでウマが合うのだろうと思う。

2022.04.04 Monday

報道現場 望月衣塑子

東京新聞の望月氏が、ご自身の記者会見への出席から、今日話題になっている社会問題まで、それらをどのように取材しているかが分かる本。

コロナ禍を理由に、首相官邸での記者会見への参加に人数制限がかかったのだが、これはコロナの感染拡大を防ぐというより、やっかいな記者を排除したかっただけなのではないか。

またその制限の際に反対したのは数社しかなかったと聞くと、日本のメディアには根性なししかいないのかと嘆かわしい。

数名ほど気骨のある素晴らしい記者さんもいるようなのだが、首相官邸での記者会見会場は同調圧力が充満している気がしてならない。

私は半分お役所のような日系企業で働いているので何となく理解できるのだが、立場が下の者が上に物申せない雰囲気で、グループ全体のトップがデジタル大臣を接待して国会にまで呼び出されたにもかかわらず、社長の座に居座り続けている。

望月氏によるとニュースには“当局取材”と“調査報道”の2つのタイプがあるそうなのだが、今までは“当局取材”に偏重しすぎていたらしいのだが、子育てによる時間的な制約を気に“調査報道”にも取り組み始める。

最初に取り組んだテーマは武器輸出で、それに関してはこちらを参照してほしい。



上記以外のテーマとしては、日本学術会議問題、名古屋入国管理局のウィシュマさんへのひどい対応などを取り上げている。

一般の方にはもちろんだが、記者などマスメディアへの就職を考えている方に是非読んでほしい本である。

2022.04.03 Sunday

永田町動物園 日本をダメにした101人 亀井静香

警察官僚から政治家に転身し、運輸大臣、建設大臣などを歴任した亀井静香氏が、独自の視点で政治家をぶった切る本。

厳しいことも書かれてはいるのだが、根はいい人である亀井氏は、与野党問わず𠮟咤激励の本になっている。

若手議員や敵対した議員にまで、あいつにはこういう良いところがあったみたいな書き方なので、そりゃあ亀井さん人に好かれるわと思ったものである。

この本を読んでいて、やはり昭和の時代の政治家の方が器が大きいというか、天下国家のために全力で取り組んでいた感がある。

もちろん右肩上がりの時代だったため、大きな事業を行いやすかっただろうし、明るい将来が見える状況では天下国家を語りやすい雰囲気もあっただろうが。

携帯電話の代金を下げるとか、貧乏くさい施策なんて出てこないよな(笑)

自分の派閥のメンバーの為にお金を集めて配った話や、警察官僚時代に西川口ソープランドに入り浸りで、記者たちにもおごってやり黙らせた話とか、おおらかな時代のエピソードも赤裸々に語っており、豪快過ぎて時代が違うなと思ってしまった(笑)



そう言えば亀井さんと言えば、以前に国土交通省の方々とお話しした際に、他の大臣は1から10まで説明しなくてはならなかったが、亀井さんだけは概要だけ伝えると内容を理解してくれ、「お前ら早く家に帰って休め」みたいな気遣いをしてくれたらしい。

やはりこういう人に議員、大臣を担ってほしいものである。

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