2019.05.20 Monday

反-憲法改正論 佐高信

澤地久枝氏、井上ひさし氏、宮澤喜一氏、城山三郎氏、佐橋滋氏、後藤田正晴氏、野中広務氏、三國連太郎氏、美輪明宏氏、宮崎駿氏、吉永小百合氏、中村哲氏といった方々の反-憲法改正論を、佐高信氏が紹介している本。

個人的には、宮澤喜一氏、後藤田正晴氏、野中広務氏という自民党の重鎮であった彼らが、憲法改正に大反対だった点が興味深い。

特に、後藤田正晴氏の章は印象に残った。

というのも、私は、初代内閣安全保障室長も務めた安全保障のエキスパートである佐々淳行氏の授業を受けていた経験があるのだが、この佐々氏の上司が後藤田氏だった。

海外派兵に賛成の佐々氏は、後藤田氏に相談に行くも、海外派兵に反対の後藤田氏には却下されてしまう。

意見が180度異なるのに、佐々氏はそんな後藤田氏を尊敬できる上司だったと仰っていた。

そのあたりのエピソードも、この本で紹介されている。



また何かと話題の(笑)佐藤浩市氏の父親である三國連太郎氏。

反体制のDNAは親子で受け継がれたんだなと妙に納得させられた(笑)

2019.05.18 Saturday

指導者のエゴが才能をダメにする ノムラの指導論 野村克也

ノムさんが、指導者としてあるべき姿の基本をまとめており、野球の指導者はもちろんだが、マネジメント論やコーチングの本と言ってもよい本である。

私が野村監督をすごいと思うのが、選手としても監督としても輝かしい実績があるにもかかわらず、必ずしも古い価値観を押し付けないところである。

「選手をダメにする指導者」として、自分の経験を披瀝するだけして「だからお前もやってみろ!」と頭ごなしに怒鳴るだけでは、選手は絶対についてこない。

生きてきた時代背景があまりにも違いすぎるとのこと。

こういう考え方ができるから、感心させられることも多く、いまだに解説が面白い。

張本勲や金田正一とは、そのあたりが違うんだろうな(笑)

「本物の野球を教えて欲しい」という口説き文句で、監督就任を依頼されたノムさんは「本物の野球を教える」ことは、すなわち「人間教育」だという考えにたどり着く。

小手先の野球のテクニックを教えるだけでなく、人間教育が重要と聞いて、高校野球の名物監督はそんな感じの方が多いよなと妙に納得してしまった。



ノムさんの本では、阪神時代のエピソードはいわゆるボヤキが多いのだが、この本では桧山進次郎と矢野燿大を褒めており、桧山はレギュラーの座をはく奪したらレギュラーの時以上に激しい練習をして結果を出し、矢野は頭を使ってリードすることの面白さを分かってくれたことが嬉しかったようである。

阪神に関して、藤浪晋太郎の復活についても書かれているのだが「阪神にはランディ・メッセンジャーという、日本人選手以上に日本の野球のことを理解した、素晴らしいお手本がいるではないか。そこから得られるものは、ひょっとしたらコーチよりたくさんあるかもしれない。」とのこと。

メッセンジャーは、これだけノムさんに絶賛されたのを知ったら、もっと頑張るんじゃない?

今までに出た本には載っていない内容が多く、とても興味深く読むことができた。

2019.05.16 Thursday

日本のいちばん醜い日 鬼塚英昭

8.15宮城事件をご存じだろうか?

宮城事件は、1945年8月14日の深夜から15日にかけて、皇居(宮城)で一部の陸軍省勤務の将校と近衛師団参謀が中心となって起こしたクーデター未遂事件である。

日本の降伏を阻止しようとしたクーデターなのだが、このクーデターには裏があるというのが著者の主張である。

その裏とは、皇室の某中佐が国体を維持するために、色々と暗躍したという驚きの内容になっている。
(本書を読めば某中佐が誰なのか分かるはず)

また終戦に際しての昭和天皇の言動が書かれており、100%この内容を信じる訳にはいかないが、これも驚かされる内容であった。

鬼塚氏の本は初めて読んだのだが、他の方が書いた本を色々と照らし合わせて引用し「ここに矛盾点がある」といった書き方で、私には新鮮に感じた。



後半では宮城事件を離れ、天皇家の血筋の問題や、そもそも太平洋戦争がどのような理由で始まったのか、そして原爆が投下された理由はといったことが書かれている。

ハードカバーの分厚い本なので読む気力が必要だが、読む価値はある本だと思う。

※ちなみに宮城は“みやぎ”ではなく“きゅうじょう”と読みます。

2019.05.05 Sunday

仕事と心の流儀 丹羽宇一郎

伊藤忠商事でトップ、中国大使をも務めた丹羽氏。

立場あるポジションを務めているにもかかわらず、偉ぶらないところが人間として魅力がある。

伊藤忠の社長、会長時代にも満員電車で1時間かけて出社し、マイカーは年季の入ったカローラとのこと。

こういう方がいれば、立場が下の方への配慮などもあり、働きやすいのではないかと思う。

ちなみに私の勤める某企業は、上層部に横柄な奴が多く全く尊敬できない。
退職の際に何人かどつき回したいくらい(笑)

ただ、そういう上司も反面教師として考えればいいじゃないかとのことである。

そうは言っても、若いころの丹羽氏は、上司が他の部下に対しパワハラ的な言動をとっていた際に、猛抗議したそうである。

普通はそういう態度をとると干されるのが関の山なのだが、伊藤忠商事は器量があるのか、社長にまでなってしまった。



中堅社員のマネジメントや振る舞い方についてや、若手社員への努力の必要性なども書いてあり、働く人全般向けの本ではないかと思われる。

読みやすい本であるため、短時間で目を通すことができると思う。

2019.05.04 Saturday

現代に生きるファシズム 佐藤優 片山杜秀

平成から令和にかけてファシズムがテーマの本を読んだのだが、意外にこの時期に読むには最適だった気がする。

まず多くの日本人がファシズムを正確に理解していない。

ムッソリーニが目指したファシズムは、国家の介入によって国民を統合し、資本主義が生み出す貧困や失業、格差などの社会生活を解決していこうとする政治体制であるとのこと。

つまりファシズムは、資本主義の矛盾を解決し、超克しようとする超資本主義の装いをとってイタリアでは現れたのである。

私は「あれっ?ファシズム自体は悪いものではないのでは?」と思えてしまった。

ファシズムと聞くと、どうしてもナチス政権のヒトラーを想像してしまい、深く知ろうとしなかった点を反省してしまった。

ただ、国民を統合することは“束ねられる”事の問題や、進むべき道を間違うこともあるので、そのような点は問題だと思える。



また天皇制のある“持たざる国”である日本でファシズムが成立するのかについても、詳細に解説しており、古い日本の象徴ともいうべき「玉砕思想」の歴史などにも触れている。

個人的に一番驚いたのが、片山氏の書籍を読むのは初めてだったのだが、“知の巨人”である佐藤優氏と互角にやり合えるすごい方でした。

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