2022.11.15 Tuesday

新宗教と政治と金 島田裕巳

統一教会の問題点などを知りたくて購入したのだが、広く浅く「宗教とは何なのか」そして「政教分離の難しさ」など政治との関係について基本的な部分を解説してくれている本だった。

統一教会よりも、創価学会の歴史や公明党設立の経緯、およびその政治に対する姿勢などの方が詳しく解説されているように思えた。

著者の島田氏によると、我々が神社やお寺を訪れお祈りをすることも立派な宗教活動だという点は興味深く、今後はそういう意識を持って京都で寺巡りをしようと思う。

神社に関しては、明治維新後の国家神道化や神官の公務員化の歴史と、その後GHQの指導により扱いが変更になった点も面白い。




最近よく話題になる「宗教法人の課税問題」に関しても振れており、これを実行するとなるとすべての宗教法人に課税することになるので、例えば明治神宮などが都内一等地に広大な土地を所有しているので、大変な税金が発生し支払いが困難になるとのこと。

また宗教法人の職員は所得税等の税金を払っているし、収益事業に関しては通常の法人のように税金がかかっているとのこと。

それに小さな神社などは資金面でかなり苦労しているようで、そう聞くと宗教法人への課税は慎重に行うべきかと思えてくる。

個人的には、課税に関しては現状のままにして、宗教法人の違法行為には厳格に対処し、場合によっては立ち入り調査や宗教法人の剥奪を積極的に行うのでいいのでは?と思う。

2022.11.07 Monday

長期腐敗体制 白井聡

「国体論 菊と星条旗」で有名な白井聡氏が、2012年に成立し現在まで引き続いている「体制(これを2012年体制と呼ぶ)」について分析している。

第二次安倍政権以降の自公連立政権のことなのなが、この見立てがただ批判するだけではなく、その切り口が面白い。

「この体制が何故続いているのか」という問いに対して、白井氏は無知や衆愚政治と手厳しい。

白井氏によると、悪い政治には3つの類型があり「不正」「無能」「腐敗」とあるそうなのだが、これら全部に当てはまるらしい。

それでもこの政権が維持されているのは「体制」と化してしまったからに他ならず、小泉政権や中曾根政権と言った固有名詞を関した〇〇政権とは異なり、共産主義体制や徳川幕府体制といったもののようにトップが変わってもその体制は維持される。

「体制」という言葉が出てきたので、1955年の保守合同から始まる「55年体制」をおさらいするのだが、当時の外交政策は「対米従属を通じた対米自立」、一見矛盾している言葉だが分かりやすく補足すると、東西冷戦下でアメリカに従属しつつ力を蓄え後に自立するといったものであった。

ところが、これがいつからかただの対米従属になってしまい、アメリカに物申す政権はどこからか横槍が入り倒されてしまい(田中角栄政権、鳩山政権など)、アメリカに媚びる政権は長続きする状況になってしまった(安倍政権、小泉政権、中曾根政権など)

個人的にはアメリカに媚びている政権ほど「保守」を掲げているのが不思議でならない…



個人的には腐敗体制についての分析も良かったのだが、アベノミクスの振り返りで「そもそも中央銀行とはどうあるべきか?」について具体的な事例なども踏まえてかなり熱く解説しており、こちらも興味深かった。

2022.11.06 Sunday

プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争 山田敏弘

2022年2月24日ロシアがウクライナへ軍事侵攻。

まさか21世紀のこの時代に、このような出来事ができるとは思ってもいなかった…

多くの方がテレビのニュースなどで空爆の様子などを目にしたと思うのだが、現代の戦争ではこういう表の戦いだけでなく、裏の戦いも重要になってくる。

その裏の戦争が「サイバー戦争」である。

私はサイバーセキュリティに関しては恥ずかしながらど素人なのだが、この著者の山田氏の解説は分かりやすくイメージをつかみやすい。

インテリジェンスのテーマに関して、普段から佐藤優の本をよく読んでいるので、リアルのインテリジェンス活動の基本は理解しているつもりなのだが、サイバーセキュリティに関しては、こういう専門家の意見を参考にすると理解しやすい。



上記のロシアに加えて、中国やアメリカの状況を分かりやすく解説してくれており、日本への提言などもあり大変有益な本だと思う。

2022.10.27 Thursday

苦しかったときの話をしようか 森岡毅

P&Gでの活躍、USJの復活などマーケティングを駆使して輝かしい実績を持つ森岡氏が就職活動で悩む娘さんへ宛てたメッセージを1冊の本にした。

こう聞くと、学生向けの幼稚な本だと思われるかもしれないが、そこは百戦錬磨の森岡氏だけあってかなり戦略的で、社会人であっても役に立つ内容が多い。

「自分をマーケティングする」と言うのは、やはり自分の好きな分野や得意な分野で勝負することだとのこと。

これは大賛成で、私は興味があるものであれば画像のように物事を覚えることができるのだが、興味がない分野にはその能力がさっぱり使えない(笑)

職種と商材が自分に合っているのはもちろんだが、私が最近思うのは会社の規模や社風なども重要に思える。

マーケティングと一言で言っても、大手企業のマーケティングと無名なスタートアップ企業のマーケティングは全く別物で、大手企業ならば会社名はすでに認知されているのが前提で、最新の取り組みを知ってもらったり企業イメージを良くするための施策が必要だが、スタートアップはまず知ってもらうところにすべてのリソースを使う必要があり長期的な視点は持ちづらかったりする。

少し話がそれてしまったが、学生だけでなく若手社員や中堅社員の方で会社で悩んでいる方にも参考になる本だと思う。



私は森岡氏は順風満帆なキャリアだと思っていたのだが、P&G時代に「絶対に失敗するであろう新製品のプロジェクト」にアサインされてしまったり、アメリカ時代にひどい嫌がらせをされて精神的に参ってしまった話など、ご自身の余り思い出したくないであろう経験なども紹介しており、雲の上の存在のように思っていたのだが少し親近感が湧いてきた。

2022.10.01 Saturday

燃える闘魂・アントニオ猪木

ご冥福をお祈りいたします…


アントニオ猪木



アントニオ猪木



アントニオ猪木



アントニオ猪木



アントニオ猪木



アントニオ猪木





2022.09.30 Friday

組織で生き延びる45の秘策 池上彰 佐藤優

池上彰氏と佐藤優氏の名コンビ(?)が、著名な方の生きざまを振り返りながら、組織で生き延びる方法を対談形式で解説していく本。

乃木希典、田中角栄、ドナルドトランプ、山本七平、李登輝、オードリーターン、アウンサンスーチー、ドストエフスキーという国籍や性別、生きた時代や職業も異なる面々の生き方を解説しながら、組織で生き延びるための方法論を学んでいく。

最初に取り上げた乃木希典の章では、人が合理的に判断できる場面は限定的である(限定合理性)が、そのような時は限定合理性の中で戦っていることを肝に銘じておく冷静さを失ってはいけないとのこと。

言っていることは分かるのだが、限定合理性の中で戦う時はピンチの時であって、そのような中で冷静に戦うのは難しいように思う。

私ならそのようなピンチが頻繁にある組織ならすぐに逃げ出すと思う。

田中角栄の章では、佐藤氏の田中角栄に対する見立てが厳しすぎる。

田中真紀子への恨みもあるのだろうか?(笑)

頭脳明晰な点は認めてはいるものの、日中国交正常化に関しては時期尚早であり暴走であったとのこと。

他者とは大きく異なる斬新な視点だったので興味がある方はぜひ目を通してほしい。

トランプに関しては、結果オーライだが外交に関しては成果を出した点と、「下品力」も突き抜ければそれはそれですごいとのこと。

褒めているのか貶しているのかよく分からないが(笑)組織で生き残るには部下を信用しろとのこと。



個人的には、ドストエフスキーの波乱万丈すぎる人生には驚かされ、この人の一生を本にすれば面白いのにと思えてしまった。

2022.09.27 Tuesday

異論正論 石破茂

私は政策によっては、石破氏とは真逆の考え方を持っている。

ただこの人とは会話、議論はできるのではないかと思っていて、どこかの総理の"なんちゃって聞く力"ではなく、本当に聞く力を持っているように思える。

また言いづらいこと、政治家としては票につながりづらい内容についても持論を展開している点などは、バラマキ主義や風見鶏な政治家よりも評価できるのではないか。

専門と思える安全保障の問題以外にもご自身の意見を持っており、日々勉強されているのが分かる気がした。

そうやって勉強に励んでいるからか大きな派閥を形成できないということは、大きな派閥の頭領は普段は勉強していないのか?(笑)

本全体として口語体で書かれているので、政治的な話題が苦手な方にも読みやすいように思える。



この本の中で語られている地方創生、可処分所得から見た本当の豊かさに関しては、私も賛成で地方を元気にしないと日本が元気になるのは厳しいと思う。

石破氏の鳥取県の良いところ自慢を聞くと、私も一度足を運んでみたくなった。

2022.09.26 Monday

虚空の人 清原和博を巡る旅 鈴木忠平

「嫌われた監督」という本で、中日ドラゴンズ監督時代の落合博満を追いかけ、徹底した取材力で驚かされた鈴木忠平氏の新作である。

鈴木氏の新作であること、扱う人物が清原和博ということで思わず購入してしまった。

率直な感想を言うと、「嫌われた監督」においては、落合監督はとっつきにくい印象を持ちやすいが、実際にはその逆な部分も多く意外に人間味があったり、「さすが三冠王!」と唸らせるエピソードも多く、読み終えた後の満足感がった。

ただこちらの本は、清原和博の意外な部分で親近感を持ちやすいところもあるのだが、心の奥底の弱い部分を取り上げていることが多く、どうしても読み終わったあとの爽快感に欠けてしまう。

とは言え、さすがの取材力でPL学園に入学する前の清原、その頃からの友人たちとのエピソード、桑田真澄との関係、そもそもPL学園がどうして野球に力を入れたのかなど、自分が知らなかったエピソードも多く読み応えがあった。



個人的には、何故に関西人なのに阪神タイガースではなく讀賣ジャイアンツにこだわり続けたのか、そのあたりの背景も知りたかった。

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