2019.06.30 Sunday

官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪 森功

安倍政権の強さを考える際に、その理由として首相官邸が機能している点を挙げる専門家も多い。

その首相官邸を支えるのが、官邸官僚である。

首相の分身といわれる経済産業省出身で原発推進派の今井尚哉首相秘書官、菅官房長官が絶大な信頼を置き加計学園の獣医学部新設問題で文部科学省に圧力をかけたといわれる和泉洋人首相補佐官、内閣人事局長を務める元警察官僚の杉田和博官房副長官といった面々の働きを分かりやすく紹介してくれている。

森氏の徹底した取材力で、多くの関係者へのインタビューなども併せて掲載されており、とても興味深い内容となっている。



また第二次安倍政権における財務省や外務省の現状についても触れており、霞が関の力関係がよく分かる。

特に検察庁(法務省)の腰抜けぶりに愕然とさせられた。

2019.06.15 Saturday

令和を生きる 平成の失敗を越えて 半藤一利 池上彰

半藤一利氏と池上彰氏が、対談形式で様々なテーマごとに平成を振り返る本。

先日の日帰り出張の移動時間で読み終えるくらいの読みやすい本である。

政治、災害、原子力、ネット社会、カルト、戦争、経済、天皇といったテーマで、その分野が得意な方がリードしていく形で話が進んでいく。

平成の大きな出来事に関して、その出来事の背景や、意外な裏話が楽しめるので面白い。

また半藤氏は携帯電話すら持っていない方なのだが、そのような方に池上氏がネット社会を解説している。

私も年配の方にインターネットについて分かりやすく解説しなくてはならないことがあるので、その際に使える解説の仕方を得ることができた。



ちなみに半藤一利氏と言えば、代表作は「日本のいちばん長い日」だと思うが、この内容を厳しく批判しているのがこちら

2019.06.13 Thursday

君たちが忘れてはいけないこと 未来のエリートとの対話 佐藤優

日本有数の進学校である灘高等学校。あるデータによると偏差値は、なんと79!!
(ちなみに慶應義塾高等学校は偏差値76、慶應義塾女子高等学校は偏差値77)

そんな彼らと、知の巨人とも言われる佐藤優氏との2016年、2017年、2018年と3回の対談が収められている本である。

灘高の学生たちが事前にいくつかの質問を用意し、それに佐藤優氏が解説する形で話が進むのだが、質問のレベルの高さに驚かされる!

「本当に高校生?」と思える質問、例えば「グローバル化と国家の未来」に関して、ジャック・アタリの「21世紀の歴史」と佐藤優氏の国家論(帝国主義)を比較する質問などである。

これは大学の専門課程、政治学科の国際関係論などで学ぶような内容に思えるのだが…凄すぎる…

そんな高校生だから、佐藤優氏もアクセル全開で回答している。

物怖じしない灘高の学生にはアッパレと言いたい。



ここで質問された内容の多くは、教養ではあるが大学受験ではあまり必要ない(入試に出ない)知識である。

いわゆる偏差値エリートではなく、本当の知性がある学生というものを見せてもらった。

しかし学校の勉強が忙しいはずなのに、受験以外の教養書を読む時間を作り出せるタイムマネジメントにも驚きである。

2019.06.10 Monday

「安倍晋三」大研究 望月衣塑子&特別取材班

今年の秋には通算在職日数が歴代最長を越えてしまいそうな安倍晋三の研究。

幼少期から第一次安倍政権までのエピソードを紹介した漫画からスタート。

このエピソードがなかなか面白く、子ども時代からの「強情で我を通す性格」などが紹介されているのだが、なぜ漫画にしたのかが謎で、普通に文章で紹介してくれればいいのにと思えた。

第2章では、「最強首相・安倍晋三」と題して安倍晋三の歴史認識、ポツダム宣言や自衛隊そして核兵器などについて書かれている。

論理的思考力に欠けるということがよく分かる内容である。

また少しゴシップ誌的な内容になるのだが、山口県下関市での市長選の選挙妨害依頼の事後処理のもつれで、自宅に火炎瓶が投げ込まれた事件などについても書かれている。

第3章では、内田樹氏とともに「民主主義と安倍政権」について考える。

他の本でもそうなのだが、内田氏は斬新なモノの見方で、個人的に参考にさせて頂くことが多い方である。

この本でも「合意形成とは、みんなが同じくらい不満足な解を出すこと」とうアイディアは、「多数が満足する解を出す」ことと考えてしまいそうな民主主義を改めて考えなおそうと思うきっかけになった。

また安倍政権が官僚をコントロールする方法として「安倍マイレージ・システム」が採用されており、官邸の意向を反映した行動をすることでポイントが貯まっていき、そのポイントが貯まると優遇されるとのこと。

こういう上手い例えができるのも内田氏ならでは。



興味がある方はぜひ読んでほしい。

2019.06.09 Sunday

プロ野球の大問題 広岡達朗

広岡氏が幻冬舎plusで連載している「日本野球よ、それは間違っている!」を本にしたのが、この本らしい。

ちなみにこの本の正式タイトルは、「言わなきゃいけないプロ野球の大問題 巨人はなぜ勝てなくなったのか?」と言うらしい。

そのまま「日本野球よ、それは間違っている!」で出版した方が良い気がするのだが…

広岡氏の主張をまとめると
◇力の衰えた名選手は早く引退し指導者になれ!
イチローにも引退を勧め続けていたらしい。

◇複数年契約には反対!
単年契約で大活躍すればインセンティブがもらえる契約に。

◇手術(トミー・ジョン手術など)には絶対反対!
自然治癒力で治せとのこと(笑)

◇大谷翔平の二刀流には反対!
最初は投手一本、その後は外野手を進める。

◇CS制度には反対!
両リーグの優勝チーム同士で戦うべき。

このような主張が語られている。



雑誌のような気軽に読める本を探している方にはお勧め。

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