2020.06.29 Monday

日本プロ野球育成新論 大道典良

千賀滉大、甲斐拓也、周東佑京と次々とスーパースターを生み出す福岡ソフトバンクホークスの育成出身の選手たち。

彼らはホークスだけでなく、侍ジャパンの主力メンバーでもあり、日本の野球を支えているといっても過言ではない。

そのホークスの育成内容を、現在2軍の打撃コーチを務める大道氏が紹介してくれている。

大柄な身体でバットを短く持って左キラーとして活躍していたと言えば、「あの大道か!」と思いだす方も多いのではないだろうか?

第1章では、3軍設立やHAWKSベースボールパーク筑後の紹介に加えて、ホークス流の育成選手に対する考え方などが興味深い。

「俺だけのコイツ」と呼ばれる選手を、スカウトが靴をすり減らして探してくるらしく、ITを使う部分とこのような泥臭いアナログな部分を使い分け、相乗効果を出している点がすごい。

「上手な選手はいらない。強い選手がほしい」という考え方を持っているようで、阪神タイガースもこういう部分は真似してほしい。

第2章では、千賀、甲斐、周東といった選手の獲得の経緯や、育成時代の育て方、および今後についてが書かれている。

獲得の経緯に関しては、色々なところを回るからこそ良い出会いがあるのだと思え、スカウトはやはり歩いてナンボなのだろう。

また選手の育て方を、コーチ全員で話し合うので、AコーチとBコーチで言う事が違うなんてことが起きず、選手は迷わなくてすむのが大きい。

第3章では、今後の活躍が期待される育成選手の紹介をしており、数年後にまたすごい選手が出てきそうな予感。



第4章は大道氏がコーチとしてのキャリアを歩み始めた経緯が、ジャイアンツ引退後にニューヨークヤンキースへのコーチ留学を経験し、そこで日米の野球の違いなどを学び、良い経験ができたそうである。

生え抜きでない大道氏にコーチ留学させるとは、なかなか太っ腹!

ヤンキースにはコーチングマニュアルがあり、教えるというよりサポートするという感じであることや、キャッシュマンGMから成功事例ではなく失敗談を話してくれと言われた話など、野球界以外でも若手社員の指導に役立ちそうな内容であった。

また大道氏の文章は具体例などを伝えながら分かりやすく、良い打撃コーチ何だろうなと思えてしまった。

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