2022.12.25 Sunday

野村克也解体新書 完全版 ノムさんは本当にスゴイのか? 江本孟紀

エモやんこと江本孟紀氏がノムさんについて語る本で、以前出たものに加筆修正をして出したものなのだが、野村監督への本音がよく出ていて面白い。

「南海で野村監督にお世話になってから50年近い付き合いになった。野球に関してはもちろん尊敬しているが、ひがみ根性や冷たさ、いじめなんかがきらいでしょうがなかった」と厳しい記載からこの本は始まる。

そう聞くと批判的な内容ばかりかと思いきや、野村監督の生い立ちを紹介したドキュメンタリー番組を見たり、故郷である京都の網野町を訪れたことで、少しは野村監督を理解できたとのこと。

それどころか、野村監督は現役時代の実績を自慢せず目の前の現実しか口にしない点が偉大、ふつうの人には見えなくても野村監督の屈折した性格から通して見ると見えるものがある、重要な場面において心のこもった態度を見せたり、繊細な言葉をぽつりと言ったりするなど、毒舌の中に所々に野村監督への愛のある言葉が出てきて面白い。

個人的に一番笑えたのが、どのポジション出身者が監督に向いているかというところで、外野手は野球理論やチームプレーにあまり関心がなくバッティングのことばかり考えているので、もっとも適していないとのこと。

この理論っていつもノムさんがいつも主張してたことだ(笑)

何だかんだ言って野村監督の教えに忠実な江本さんは師匠想いなんでしょうね。



巻末に江本孟紀×江夏豊の結構本格的な対談があるのだが、よくよく考えたら阪神タイガースの江夏と南海ホークスの江本がトレードされたのだから、2人は同じチームでプレーしていない。

とは言え、同じノムさんの下で再生した二人、そしてノムさんと深く付き合いのあった者同士で意見が合うのか、今まであまり表に出ていないエピソードも出てきて面白かった。

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