2022.06.01 Wednesday

確執と信念 スジを通した男たち 松永多佳倫

門田博光、田尾安志、広岡達朗、谷沢健一、江夏豊

彼らに共通するのはプロ野球界で輝かしい結果を出したのだが、ややとっつきにくい感があったり、何故かユニフォームを再び着る機会に恵まれなかったりと、不遇な扱いを受けている感のある5人それぞれの確執と信念を取り上げた本。

私は以前にこの方の本を読んだことがあり(「善と悪 江夏豊ラストメッセージ」)著者の松永氏は近寄りがたい雰囲気を持つ方の懐に飛び込む技術に長けているように思える。

普通の会社でも、とっつきにくいお客様や、社内でとっつきにくい上司の懐に難なく入り込める人は重宝されるはずである。

江夏さんと親しいのは知っていたので正直驚かなかったのだが、やはり広岡さんの家にまで上がり込み、しっかり取材をしている点は、怖いイメージしか持っていない私からすると意外な一面に見えて驚いてしまった。

その取材で、元々は早稲田大学のムードメーカーみたいな役割も担っていた広岡さんが、川上監督との確執で少しねじ曲がった性格になってしまった点や、ONこと王貞治、長嶋茂雄の2人とは意外に仲がいい話、選手だった時代にゲッツーの際の守備に関して若手に「どこに投げても捕ってやるから遠慮せずにやれ」と言ってあげることで若手がのびのびプレーできるようにしてやったりと、世間のイメージとは大きくかけ離れている点が興味深かった。

そう言えば、ビッグボスこと新庄剛志が日本ハムの監督を受ける際に、批判的なメディアも多かったのだが、広岡さんは肯定的な発言をしてくれたのを思い出してしまった。

また広岡さんはヤクルトスワローズ、西武ライオンズという当時強くなかったチームを優勝させた監督であり、その後ロッテマリーンズでGMとして辣腕をふるった際の話も面白かった。



また著者の松永氏は中日ドラゴンズに熱い気持ちを持ちのようで、田尾さん、谷沢さんの章ではその気持ちが前に出過ぎの感があったのだが、まあそれは野球ファンなら仕方がない(笑)

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