2020.12.31 Thursday

菅政権と米中危機 手嶋龍一 佐藤優

大人気の中公新書ラクレ、手嶋龍一氏と佐藤優氏の対談形式の人気シリーズの最新作。

外交のスペシャリストであるお2人の対談なので、やはり内政(菅政権)についてより、米中関係についての方が当然ながら内容は熱い。

内政については、佐藤氏が仰る"天皇機関説ならぬ首相機関説"を菅政権が上手く引き継げるか次第とのこと。

そんな菅政権の最大の地雷原になりそうなのが、対中国政策に他ならない。

中国が推進する巨大経済圏構想で、現代のシルクロードとでもいうべき「一帯一路構想」を今まで以上に支持していくか否かの判断を迫られるというのである。

もちろん中国を支持すればアメリカとの関係は悪化し、逆に中国を支持しなければアメリカとの関係は良好に保てる。

菅総理が中国とアメリカに対して、官房長官時代に見せたようにのらりくらりかわせればいいのだが、2つの大国に挟まれるとさすがにそれは難しい。

また、この本のメインテーマでもあるのだが、アメリカと中国との関係は我々日本人が思っている以上に悪化しており、その点でも菅政権の外交は厳しい船出になってしまうとのこと。

米中対立は米ソ冷戦時代に例えられることもあるが、佐藤氏が言うには「とんでもない!」とのこと。

米ソ冷戦時代には双方に知恵のあるブレーンがいて、核ミサイルを使えないような工夫をしていたのだが、今はそんな知恵などなく、もし台湾海峡にて有事が発生した際にどういった事態が起きてしまうのか?

この際に日本はかなり厳しい環境に置かれてしまうのだが、そういうことを考えている政治家はいるのだろうか?



ちなみに本の中で、手嶋氏は佐藤氏を色々といじっているのが何とも言えない。

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