2020.04.27 Monday

サル化する世界 内田樹

最近私が興味を持っている方である内田樹さんの本。

ちなみに本のタイトル「サル化する世界」のサルは、「朝三暮四」のサル、つまり今さえよければ未来はどうなろうが知ったこっちゃないという考え方である。

現代の「当期利益至上主義」は、「朝三暮四」に酷似しているとのこと。

このような内容から始まり、現代社会の様々な問題に対して、内田氏流の分析による問題点の指摘と解決策を語っておられる。

2018年頃から、様々なメディアや講演等で話した内容に加筆されており、まさに今日の問題点に触れられており面白い。

この本で興味深かった内容をいくつか紹介すると、AI技術の進化による戦争概念の変化とそれに伴う中国脅威論。

その中国脅威論がアメリカ経由で日本に入ってきて、その結果として嫌中メディア記事が減っているのではないか。

私はAIに携わる業務を行っていることもあり、とても興味深く、AIを活用するには質の良いデータを大量に入手することが求められるので、政府がそれを実行しやすい中国は最もAIを活用できる国だと思う。

姜尚中さんとの(第二次世界大戦に関する)比較敗戦論が、実は敗戦国だったフランス、戦争の終盤で日本に宣戦布告してきたイタリアといった他ではあまり触れられないことについて解説してくれている。

また現在の英語教育が「ユニクロのシンガポール支店長」を育成するようなものだと辛辣に批判しており、目的文化へアクセスする手段としての言語であるべきでなくてはならない。

アメリカ文化やイギリス文化を学びたくて英語を、フランス文化を学びたくてフランス語をといった具合にである。

ところが残念ながら今の英語教育は稼ぐためになっているようである。

私は帰国子女や海外生活の経験もないが、仕事でも日常でも英語で対応することは可能なのだが、学生時代に海外文化に憧れを持って勉強したからかもしれない。

ちなみに私は英語公用語にした某企業で働いていた経験があるのだが、出世のためだけに英語を学んでいる方々に失礼ながら、負ける気がしなかった(笑)



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