2016.01.02 Saturday

雇用身分社会 森岡孝二

さすが岩波新書と言うべきか、現代の労働環境の問題点を見事に指摘している。

森岡孝二氏の本は初めてなのだが、いい意味で学者っぽくなく読みやすい。

第1章では、戦前の地獄のような働き方が書かれているのだが、私が知らないことが多く勉強になった。

当時は、性別による差別が著しくひどいように思えた。

第2章では、派遣労働の問題点を指摘している。

特に「使用関係」と「雇用関係」を分離することによって、使用者が労働者に対する安全健康配慮義務を免れることを可能にしている指摘には、なるほどと思ってしまった。

同じ非正規雇用でも、パート・アルバイトでは直接雇用であるため、そういうわけにはいかない。

第3章では、パートに関してというセクションなのだが、女性の働き方に関しての問題点について述べられている。

私の周りには、パートで生計を立てている女性がいなかったり、男女同権の会社に長くいたため、あまりピンと来なかった。

第4章では、正社員の過酷な働き方について書かれている。

最近の話題である「限定正社員」についても触れられており、その問題点指摘も的を射ている。

第5章で、この本のテーマである雇用形態が身分を作るということが書かれている。

雇用形態により、給料が大きく異なり、そのことが人生設計に大きな影響を与えるとのこと。

第6章では、第5章の補足と言う感じで、政府の責任について言及している。

官製ワーキングプアなども取り上げており興味深い。





この著者である森岡氏の本は分かりやすいので、元々この手のテーマの本が好きな方だけでなく、労働問題を学ぶ学生などが読んでも参考になると思う。

個人的に、かなりオススメの本だと思う。

本当は非正規の方々にこそ、こういう本を読んでほしいのだが、それは厳しいのかもしれない…

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