2019.01.14 Monday

安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由 相澤冬樹

森友事件を取材するNHK記者であった相澤氏が、上層部からの圧力(!?)に苦労しながら、自分の信念で取材する姿を描いたノンフィクション。

タイトルからすると「安倍官邸vs.NHK」の熱い戦いが書かれているのかと思いきや、記者の日常の生活が書かれており、タイトルとミスマッチな印象を受けた。

とは言え、記者の大変すぎる日々の様子(ブラックと言われても仕方がないようなレベル)が手に取るようにわかり、政権批判ととれるような報道を極力避けたい上司とのやり取りで苦労した様子などが興味深い。

世間のNHKのイメージとはかけ離れた相澤氏の、忖度など全く考えない破天荒な取材の日々は面白い。

記者になりたい方や、記者の仕事に興味がある方は必読の本だと思う。



籠池夫妻とのやり取りは、取材対象に対してどのように接触を試みるか、また籠池夫妻のイメージ通りの対応が書かれている部分は特に印象に残った。

相澤氏の取材技術は、一般のビジネスの世界でも営業相手の本音を聞きたい時などに、大変参考になる。

2019.01.13 Sunday

ミッションスクールになぜ美人が多いのか 井上章一 郭南燕 川村信三

女性の容姿を語ることに厳しいこの時代に、やはりこのタイトルだと注目してしまう。

ちなみに私は、男女ともに一定レベルの容姿を備えるのは、重要なビジネススキルの1つだと思っている。
男性でも容姿が肉体労働者だと、高い知的水準を求められる職種や、高級感が求められる企業に就職できないのではないか?


ふざけた内容が多いのかと思えば、意外に真面目なところも多く、日本とキリスト教との関係について考えることができる。

例えば日本で禁止されていたキリスト教が認められるまでの過程、天皇家や福沢諭吉や大隈重信とキリスト教との関わり、そしてキリスト教系の学校の設立背景から指導方針や、キリスト教およびキリスト教系学校が日本においてどのような役割を果たしたかといったことも紹介されている。

井上氏の担当部分は美人にとてもこだわっているが…(笑)



ところでこの本、明確な結論が出ていない気がするのですが、結局のところ「教会のあるミッションスクールに素敵女子、そしてその親御さんが憧れるから」ということでOKでしょうか?

2019.01.06 Sunday

官房長官と幹事長 橋本五郎

内閣のナンバー2である官房長官と、自民党のナンバー2である幹事長。

歴代の官房長官と幹事長の実績を振り返りながら、それぞれタイプ別に分類している。

やや政権寄りに思える橋本氏であるため、自民党に甘いかと思いきや、意外に厳しいことも書いており好感が持てる。

歴代の官房長官では、中曽根政権の際の後藤田官房長官について、就任のいきさつから実績までを解説してくれている。

2世、3世の政治家ばかりが目立つ今日では、こんな大物政治家は出てこないだろうと思う。

また悪い例としては、細川総理と武村官房長官の不仲を挙げている。



幹事長としては、意外な人物を評価しており、そういう一面もあるのかと感心させられた。

私は、現在の安倍政権は、菅官房長官と二階幹事長の2人で成立していると思っているので、現政権を攻撃するには、この2人の弱みを握ることが最重要だと思う。

2019.01.02 Wednesday

大阪的「おもろいおばはん」は、こうしてつくられた 井上章一

なんとなく購入した本なのだが、予想以上に面白くて、お勧めしたい本。

大阪のおばちゃんと聞けば、たいていの人が「人なつっこく、冗談をたやさない、陽気な女性たち」を想像するであろう。

なれなれしく、けたたましいとも言えるのだが…

ところが谷崎潤一郎氏が1932年にあらわした随筆だと「関西の夫人は凡べて、言葉数少なく、婉曲に心持ちを表現する」と書かれている。

谷崎氏は、阪神間の山手暮らしだったので、周りがそのような方ばかりだったとの言えるかもしれないが、現在のイメージとあまりにも異なっている。

そこで色々と調査していくと、素人出演のTV番組の影響に一因があるのではないかということが分かってきた。

このようなテーマを真面目に考える本なのである(笑)



また野球好きには、元々は南海が「反讀賣」の旗手だったのが、それが阪神に移っていった歴史に井上氏の解説を交えて触れている。

今からは想像できないが、お客さんもあまり入らなかった阪神タイガースが人気球団となる過程で、TVの力が大きくサンテレビの貢献の高さを絶賛している。

逆に、阪神が讀賣にお伺いを立てるコバンザメみたいなエピソードもあり、ファンとしてはちょっとつらい(笑)

2019.01.01 Tuesday

官僚の掟 競争なき「特権階級」の実態 佐藤優

官僚の言動が何かと問題になった2018年。

2019年の最初は、官僚について考えてみようと思い購入。

元外務官僚であった佐藤優氏が解説してくれているのだが、「自殺の大蔵(財務省)、汚職の通産(経産省)、不倫の外務」ということばがあるらしく、各省庁で文化が異なるらしくそのあたりも分かりやすく解説してくれている。

また森友・加計学園問題なども踏まえて、官僚の背後にある存在である政治家の問題についても言及している。

佐藤氏のいた外務省については、かなり詳しく現状分析しており、在外勤務手当がかなり恵まれている役所で20代で2,000万円貯められるとのこと。

また40代で無能とみなされたノンキャリアがいちばんいい身分で、たいした仕事はないのにお金だけは入ってくるらしい(笑)

外務省の不祥事としては、覚えていらっしゃる方も多いと思うが、機密費の流用の件を佐藤氏の視点で解説してくれている。





TVドラマ化もされた高度経済成長時代の官僚を描く作品である「官僚たちの夏」という城山三郎氏の小説があるのだが、この中で政治家の「分かった」という言葉が重要な意味を持つ。

実際の世界でも、政治家の「分かった」は要注意で、「聞き流す意味」なのか「了解の意味」なのかを判断する必要があるようである。

法の下の平等を基本とする官僚であるはずが、特定の人や団体のために働く官僚が出てきており、それを「第二官僚」と名付けており、そのルーツは竹中平蔵であるというのには納得させられた(笑)

総理に様々な肩書で登用された官僚OBや財界人なども、「第二官僚」と言ってよいらしい。

現在の官僚を理解するには最適の本だと思うので、多くの人に読んでほしい。

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