2021.09.21 Tuesday

安いニッポン 「価格」が示す停滞 中藤玲

結構話題になっている本だったのに遅ればせながら購入し目を通す。

ディズニーランドの入園料、100円均一のダイソー、マクドナルドのビッグマックなどの価格を世界各国と比べると、日本の価格は格段に安いそうである。

この理由は「長いデフレによって、企業が価格転嫁するメカニズムが破壊されたから」とのこと。

そう言えば、私が子どもの頃と比べてあまり金額が変わっていないものが多く、大幅に値上がりしたものといって思いつくものは大学の授業料くらいである。

「デフレで安く買えるのだからそれでいいじゃないか」という短絡的な方もいるかもしれないが、多くのものを輸入に頼っているこの国がこのままの状況が続くと、我々の生活に欠かせない食料や工業製品の原材料の輸入に苦戦することはもちろん、感染症が流行している時にワクチンを輸入したい際に海外のと獲得競争に競り負けてしまうのではないか。

また少子高齢化のため、有能なニューマンリソースの獲得に多くの企業が苦労しているのだが、これを海外人材に求めるのも厳しくなってしまう。

日本の年収が500万円程度で、他の国の年収が700万円だと、外国人が日本語を習得してまで日本に来るだろうか?

現に優秀なIT人材の確保先としてインドを考えている日系企業も多いのだが、アメリカ企業との争奪戦に惨敗の連続とのこと。

このまま日本は沈んでしまうのだろうかと考えさせられる本である。



ニセコの3000円ラーメンは盛り過ぎだと思うが…

2021.09.20 Monday

ベイスターズ再建録 二宮寿朗

横浜DeNAベイスターズ10周年。

他球団のファンから見て、明るく人気チームになった感があり、横浜スタジアムでは斬新なイベントをやっていて面白そうだなという印象がある。

それ以外でも最近の出来事なのだが、中日ドラゴンズ木下雄介投手の追悼試合で、DeNAナインも山崎康晃投手の発案で木下投手の現役時代の背番号「98」を帽子などに記してプレーした試合など、粋なことをしてくれる点も印象深い。

そんな話はさておき、横浜DeNAベイスターズは高田繁GMがママチャリでふらりと近所に住む後輩の家にやってくるところから始まる。

その後輩とは中畑清、初代監督の要請に高田GMは来たのだ。

ここから監督の頑張りが書かれているのかと思いきや、経営陣、営業、マーケティングなどいわゆる球団職員として働く方々が、どのような熱い思いを持って働き、どうやって横浜スタジアムを満員にしてきたのかがキーパーソンの活躍が丁寧な取材に基づき書かれている。

ビジネス視点で見ると、DeNAからの球団職員、DeNA以前からの球団職員、横浜スタジアムからの球団職員と異なるバックボーンを持つ寄り合い所帯というのは、なかなかシステム統合や情報共有などが上手くいかないものである(例えばみ〇ほ銀行など)

それを上手くまとめ上げ、組織として機能させている点が素晴らしいと思う。



中畑監督がチケット2枚を用意してもらえないかとチームマネージャーにお願いしたところ
「監督、なめてもらっちゃ困ります。チケットは1枚もないです」とつれない返事。

監督の俺がチケットが手に入らないのかと歓喜したエピソードが良かった。

Pagetop


Recommend










Calendar

<< September 2021 >>
SunMonTueWedThuFriSat
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

Search
このブログ内の記事を検索

Archives