2020.11.23 Monday

監督原辰徳研究 この「名将の器」に気付かなかった面々へ 江本孟紀

2020年の日本シリーズ
第1戦 読売ジャイアンツ 1-5  福岡ソフトバンクホークス
第2戦 読売ジャイアンツ 2-13 福岡ソフトバンクホークス

このようにソフトバンクホークスの圧倒的な強さを見せられているこの時期に読む本じゃないかもしれない(笑)

この本はエモやんが、原監督を色々な角度から分析している本で、他の監督、よく名将だといわれている野村監督や星野監督と比較しながら、原監督を評価している。

また若手に対する扱いや、野球エリートと呼ばれるような選手の扱いに長けており、相手の意表を突く采配で勝利をもぎ取ることもできるとのこと。

この本を読む限りしっかりした野球への信念を持っており、正直今のセ・リーグに原監督以上の監督はいないと思うのだが、なかなかパ・リーグに太刀打ちできない。

私は思ったのだが、阪神タイガースは岡田監督、中日ドラゴンズは落合監督みたいな、原監督と対等にやり合えるような監督が再びユニフォームを着て、セ・リーグ全体のレベルを上げることが必要なんではないか?

今のままだとセ・リーグは原巨人が圧勝でペナントは勝つが、日本シリーズで全く歯が立たないというのが続いていく気がする。



エモやん、来年あたり名将工藤公康監督を出しそうと思っているのは私だけ?(笑)

2020.11.22 Sunday

日本を壊した霞が関の弱い人たち 古賀茂明

元経済産業省の改革派官僚であった古賀茂明氏。

森友学園問題、加計学園問題で官邸の意向に対して忖度を行ったとされる官僚たちの思考回路や行動パターンを、古賀氏の長年の官僚経験を踏まえながら解説してくれている。

古賀氏は官僚を「消防士型」「中央エリート官僚型」「凡人型」という3パターンに分けていて、 「消防士型」は自分の利益などを顧みず人の命を救うために動けるようなタイプとのこと。

当然このタイプが一番好ましいのだが、このタイプの代表的な方であった赤木俊夫さんは自殺に追い込まれてしまう…

ちなみに「中央エリート官僚型」は、自らが一番優秀であることを証明したい方で、ちやほやされることを望むタイプ。

「凡人型」は安定を求めているタイプで、いわゆる世間一般で思い描く公務員のイメージである。

また官僚に関して「官僚性善説」「官僚性悪説」という分け方ではなく、古賀氏は「官僚性弱説」という考えで、国民の利益か自分の利益(自分の役所の省益)かの二者択一となった際に、自分の利益を選んでしまう弱さを持っているとのこと。

そのため政治的プレッシャーに負けてしまい、変な忖度に走ってしまうらしい。

読んでいて思わず「なるほどな!」と思えることが多く、古賀氏の想像によるフィクションによる政治家と官僚のやり取りの会話を再現しており、これがまたリアルな感じで面白い。



この本のテーマの本筋ではないのだが、古賀氏の指摘で妙に納得してしまったのが「謎の日の丸信仰」についてで、昭和の世代の方々、特に経営者層の方と話して「日本だから大丈夫」という何らエビデンスのない謎の自信については、私も日々うんざりしていたので、この点を指摘してくれており嬉しく思った。

先進国で平均年収が下がっている国って日本だけなのに…

官僚に関して幅広いテーマで分かりやすく自らの実体験も踏まえて解説してくれており、適度に笑いを取り込むなど、とても興味深く読める本だったので、ぜひ多くの方に手に取ってほしい。

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