そらそうよ！！

2021.04.24 Saturday

伝え方の作法池上彰佐藤優

池上彰氏と佐藤優氏が対談形式で伝え方の作法を解説。

特にコロナ禍の現状では主流となったオンライン、リモート形式での伝え方についての内容が興味深い。

「教えてください」という姿勢、「おばちゃん力」という世間でもよく言われていることを、この2人がどうとらえているのかはなかなか面白い。

対談形式のためとても読みやすく、リモート授業に戸惑っている学生さんや、就職活動でオンライン面接が多い方、リモート会議を初めて見たものの不慣れで苦労している方などには参考になるのではないか。

私には伝えにくいことを伝える際の作法が、自分の業務の中でも使えそうだったので特に役に立ちそうである。

ちなみにリモートツールではZoomが高評価なのだが、その理由というのが、他社と違いこれ一本で勝負しているので本気度が違うとのこと。

2021.04.22 Thursday

賢慮の世界史国民の知力が国を守る佐藤優岡部伸

産経新聞論説委員の岡部氏と、佐藤優氏が現在の国際情勢を解説。

岡部氏は産経新聞の方なのに落ち着いた方で、自らの海外赴任時の実体験による解説が分かりやすい。

最初の書き出しで、モスクワ滞在時のホテルにてルームサービスのボルシチに睡眠薬を入れられて財布からドル札だけ抜き取られた話で、ロシアの怖さを教えてくれている。

当たり前だが「睡眠薬ではなく毒だったら死んでいる」訳で、ある種の警告である。

このようなロシアの怖さを踏まえて北方領土問題について解説してくれている。

佐藤氏の解説によると、ロシアはINF全廃条約の失効により中距離弾道ミサイルが日本国内に配置されるのを懸念しているとのこと。

マスコミがこの点について触れないのが不思議で仕方がないらしい。

次にヨーロッパに関して、ブレグジット問題、ゴーンの国外逃亡問題、そして最近注目されているインテリジェンスアライアンス"ファイブ・アイズ"へ日本が参加するかについてメリット、デメリットも踏まえて紹介してくれている。

アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドというアングロサクソンの5カ国の"ファイブ・アイズ"に日本が参加し、"シックス・アイズ"となる日は来るのだろうか？

日本とイギリスが連携するなると、日英同盟を思い出す方も多いだろう。

もちろん日本の外交戦略の基軸である日米関係についても触れられているが、ヨーロッパ、特にロシアやイギリスの今を知りたい方にお薦めしたい。

2021.04.16 Friday

プロ野球チームの社員髙木大成

1995年ドラフト会議にてドラフト1位で指名され、西武ライオンズに入団。

元々は捕手希望だったが、ファーストへのコンバート、そのファーストでゴールデングラブ賞を獲得など活躍するも、度重なる怪我が原因で若くして引退。

引退時に、本人も意外だったそうだが球団職員を打診されて、新たなキャリアがスタート。

プロ野球選手から会社勤めへの転身ということでの苦労や、球団職員の日々を分かりやすく紹介してくれている。

また同じマーケティングを担当する身としては、球団の動画に関する考え方や、テレビ局との交渉に関しての話は、私の仕事にも役に立つ考え方で興味深かった。

幼少時代からどのように野球に取り組んできたのか、特に高校時代の監督に進言するエピソードは大変興味深かった。

これからも慶應魂で頑張ってほしい！

2021.04.09 Friday

人新世の「資本論」斎藤幸平

昨年から話題になっている本なのだが、やっと読むことができた。

もう少し早く読んでいれば人に薦められたのにと少し反省。

とそんな前置きはさておき、環境問題、資本主義、マルクスについて、私は正直こんなに真面目に考えることはなかった。

まずは環境問題についてだが、私の働く会社もSDGsに躍起で、ややパフォーマンス的に「環境問題を考えています」とアピールしているのだが、持続可能な開発目標では環境問題を解決できないと知り愕然とする。

経済成長と二酸化炭素削減は、相反するため両立するのは難しいのだ。

となると経済成長を求める資本主義に問題があるのではないだろうか？

確かに大量生産・大量消費をベースとするライフスタイルは魅力的であり、我々日本を含む多くの国々を豊かにしたが、その裏で南北問題と呼ばれる事態を引き起こす。

グローバル化によって犠牲を被る地域や住民（グローバルサウス）を生み出したのである。

今まではこのグローバルサウスを見て見ぬふりをしてきたのだが、それにも限界が近づいてきている。

では、この地球を揺るがす大問題を解決するにはどうすればいいのか？

そこで役立つのがマルクスの考え方なのである。

2021.04.08 Thursday

師弟 (講談社文庫) 野村克也宮本慎也

約5年前に読んだ「師弟」が文庫本になった。

文庫版は、巻末に宮本慎也のインタビューが掲載されているのだが、これを読むと野村監督への思いが伝わってきて泣けてくる。

亡きノムさんとの思い出や、影響を受けて実践していることなどをお聞きすると、野村監督は亡くなってしまったが、その考えは弟子たちにしっかり受け継がれてるのだと思うと感慨深い。

いつの日か「野村ノート」を引き継いだ「宮本ノート」に期待したい！

2021.04.07 Wednesday

見抜く力びびらない、騙されない。佐藤優

今までの佐藤優氏の本と大きく異なるのが、ビジネスでも使えるような交渉術が多数紹介されている。

それもそのはずで、雑誌プレジデントで一流の経営者と対談した話を参照しているところも多く、普段佐藤優氏の本を読まない層の方にも手に取ってもらえるのではないだろうか？

・極意1 攻撃的な人の本音を見抜く

・極意2 相手の情報が正しいか見抜く

・極意3 表情・服装・持ち物・口癖で人物を見分ける

・極意4 常識に騙されない

・極意5 自分に騙されない

・極意6 数字に騙されない

・極意7 騙されていい場合もある

上記の7つの極意が紹介されているのだが、個人的には極意3の特に口癖に関してが興味深い。

「あっ！確かにこういうお取引先いる！」と思う一方で、自分も言葉には気を付けないとお客様に不快感を与えたり、誤解させてしまうこともあるため気を付けなくてはならないと思った次第である。