2020.08.31 Monday

知らないと恥をかく世界の大問題11 池上彰

世界が新型コロナウイルスで苦労している中で、各国でどのようなことが起きているのだろうか?

そのあたりをアメリカ、ヨーロッパ(特にイギリス)、中東、東アジアと地域別で池上彰さんが分かりやすく解説してくれている本。

最近の日本のテレビのニュースでは、国内の新型コロナウイルス関連のニュースばかりで、世界情勢に触れていることが少ないので、こういう本で少しでも情報収集しようとして購入したのだが、想像以上に興味深い内容が多かった。

例えばアメリカ国内において、トランプを支持していたキリスト教福音派の一部がトランプ不支持を打ち出した話、ロシア憲法改正の話に加え、中東の章で各宗教の話をかなり分かりやすく解説してくれていたのが、私がどこかで説明しなくてはならない際に使えるなと思ってしまった(笑)

私がよく読む佐藤優さんの本だと宗教の項目が少し難しくついて行きづらい…

また日本の問題点についても触れられており、安倍政権の終焉を迎えた今こそ目を通してはいかがだろうか?



新型コロナウイルス感染者が拡大する直前に、キューバに取材に行った際にキューバ人女性たちに指をさされ「コロナ!コロナ!」と言われたそうなのだが、これテレビ東京で放送した松井秀喜さんと行ったキューバ野球を取材に行ったときですね。

2020.08.30 Sunday

人生に必要な教養は中学校教科書ですべて身につく 池上彰 佐藤優

池上彰さんと佐藤優さんが、最新の中学校教科書の内容を紹介し、現在の中学校教育が分かる内容になっている。

2人とも、大学等で講義を持つこともあり、教育に高い関心を持っているようで、そう言えば以前に、大学入試センター山本理事長との鼎談をしていた本を読んだのを思いだしました。

教育激変-2020年、大学入試と学習指導要領大改革のゆくえ 池上彰 佐藤優

個人的には、理系の分野のことをもっと多く知りたかったのだが、2人の専門分野は社会なので、全体の半分のページが社会だったのはご愛敬(笑)



小中学生のお子さんがいらっしゃる親御さんや、中学校を卒業して20年以上たってしまったような方々は、目を通すと驚くことが多いかもしれません。

教科書を編集する方々の、学生さんに少しでも興味を持ってもらおうという気持ちには感服しました。

2020.08.29 Saturday

名投手 -江夏が選ぶ伝説の21人- 江夏豊

伝説の左腕であり、我らが阪神タイガースOBでもある江夏豊が歴代の好投手を評価する本。

レジェンドと言われている投手から、現役バリバリの投手まで幅広く取り上げており、江夏さんの投手に対しての考え方がよく分かり面白い。

有名なエピソードとして「豊よ、球界に革命を起こしてみないか。これからは先発とリリーフの分業の時代が来るんだ」 と言われたことで、リリーフに転向し、自らがリリーフ投手の価値を高めたこともあり、リリーフ投手も多数選んでいる。

このリリーフ転向を勧めたのは、ご存じノムさんなのだが、この本の中では"野村のおっさん"と表記されている。

先輩は"さん"付け、後輩にも"くん"付けしているのに、野村監督だけは"野村のおっさん"と表記されているのだが

「野村のおっさんは打者との対戦をメモに残すことを教えてくれた」
「野村のおっさんに会いに行くと、マーくん(江夏さんは何故か"マーちゃん"と呼ぶ)が必ず笑顔で飛んできてくれた」

などと書かれており、江夏さんにとって野村監督は今でも特別な存在だと思うと泣けてくる。




ちなみに阪神タイガースの投手が村山実さん、小山正明さん、藤川球児投手くらいしかいないんですが…

江夏さん、すみませんが若手を何人か指名して、名投手に育ててもらえないでしょうか?

2020.08.16 Sunday

危機の正体 コロナ時代を生き抜く技法 佐藤優

佐藤優流の新型コロナウイルスの時代を生き抜く技法を知りたくて購入。

出たばかりということでタイムリーな内容が多く、佐藤氏の本にしては平易な文章で書かれており読みやすい。

少し長めの雑誌を読んでいるような気持ちで読めるので、夏休みを自宅で過ごしていて時間を持て余している時に読むといいのではないか。

とは言え、さすがは佐藤氏で序章の段階から舌鋒鋭く、「新しい生活様式」に対し、「誰が何の資格があって、国民一人ひとりの私的領域に立ち入って指図する権利があるのでしょうか?」と手厳しい。

法的には強制力がない自粛を求める権力の危険性を指摘している。

またイスラエルの歴史学者であるハラリ氏は、新型コロナ後の世界の状態、いわゆるニューノーマルの世界を「抜本的な変化」と捉えているのだが、フランスの人口学者ドット氏は「すでに起きていた変化の加速」と捉えている。

この詳細を、本文の中でちょっと怖い例を出して解説しているので、ぜひ読んでもらいたい。

新型コロナが企業に与えた影響を扱う章では、テレワークを実施できた企業の割合、正規と非正規の問題などを列挙し、格差がさらに拡大していくことを懸念している。

新型コロナ禍で経済が悪化する順番は「L⇒G⇒F」Lはローカル、Gはグローバル、Fはファイナンスであるという冨山和彦さんの見立てを紹介しており、なるほどと納得させられる。

佐藤氏のすごいところは、超忙しいはずなのに最新の情報をインプットしており、それを共有してくれることだと思う。

それに加え、ジョブ型人事制度が進む可能性なども指摘しており、雇われる側の私としては少し将来に不安を感じてしまった(笑)



最後に少しだけ外交に関しての記載があったのだが、イージス・アショア配備計画は停止することができるのに、辺野古新基地建設を停止することができないのが、ダブルスタンダードで不誠実なのではないか?とのこと。

しかも、この問題点を論じているのは沖縄の新聞だけであり、全国紙は論じていないらしい。

沖縄のためにも、この辺りはもう少し真面目に考えてほしい。

2020.08.15 Saturday

渡哲也




団長

2020.08.14 Friday

公安調査庁 手嶋龍一 佐藤優

手嶋龍一氏と佐藤優氏は、対談形式で国際情勢を解説する中公新書ラクレの人気シリーズを出しており、米中関係や日韓関係を取り上げていた。

その2人が公安調査庁を取り上げるということで、私はとても不思議に思えた。

というのも、公安調査庁はドメスティックな組織に思え、2人の専門とは違うのではないかと思えたからである。

ところがそれは私の誤解であり、公安調査庁は海外のインテリジェンス組織からも評価されているとのこと。

その一例として、2001年の金正男事件が挙げられている。

小泉政権が発足し、田中真紀子が絶大な人気を誇り外務大臣に就任したのとほぼ同時期に、金正男が偽装パスポートを使い日本に入国した事件である。

この時に、どこよりも早くこの情報を入手していたのが公安調査庁で、その情報源はイギリスのMI6から得られたのではないかとのこと。

MI6は、映画007シリーズでジェームズボンドが所属している組織だと言えば、分かってもらえるだろうか?

そこから情報を得るということは、お互いに信頼関係が構築されてないと難しいわけで「その信頼を勝ち得ている公安調査庁は有能なのではないか?」と思えてきた。

この公安調査庁だが予算規模は約150億円、人員規模約は1660人らしいのだが、この数字をどう解釈するだろうか?

私の本音としては「えっ?少なくない?」と思えてしまい、予算規模はある程度の規模の企業なら1事業部の年間売り上げ程度だし、人員も約30万人の警察官と比べて少なすぎる気がする。

ただこれでそれなりの成果を上げているのだから、少数精鋭で大したものだと思う。

それ以外には公安調査庁の歴史(意外なことに最初はGHQの指示で右翼側の行動を監視するのが主たる目的だったそうである)や、そもそもインテリジェンスとはについての解説をしてくれている。

外交や安全保障に興味がある方にはぜひ読んでほしい本である。



ちなみに最後の章で「日本を代表する企業のトップが自社のCMに登場してはしゃいでおり、それを止める人が社内にいないのが恐ろしい」と書いてあったのだが、これはトヨタ自動車のことだろうか?(笑)

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