2023.09.23 Saturday

問題はロシアより、むしろアメリカだ エマニュエル・トッド 池上彰

日本でも有名なフランスの知識人エマニュエル・トッドと池上彰氏の初対談本で、ロシアとウクライナの戦争が進む世界情勢について独自の視点から、鋭い指摘が出てきて面白い。

対談とは書いたのだが、実際はほぼエマニュエル・トッドの意見で(笑)池上さんが本音を話せるように上手く意見を引き出している。

序盤から「ウクライナ戦争の最大の責任は、ロシアやプーチン大統領ではなくアメリカとNATOにある」と、いわゆる西側陣営の国ではなかなか言いづらい指摘からスタートしている。

NATOの拡大化こそがロシアの暴走を引き起こしたという事なのだが、日本だと佐藤優氏がこれに近い指摘をしているが、他の一般的なメディアはなかなかこのような指摘はできないように思える。

「プーチンは狂っている」といった主旨の発言をされる専門家もいるのだが、それでは考えることの放棄に他ならない。

またロシア問題を考える際に「ロシアフォビア(ロシア嫌い)」に動かさられている地域があり、それがアメリカ以外にもバルト三国、ウクライナ、ポーランドとのこと。

これが情勢を不安定化させる要因の1つで、特にポーランドには要注意とのこと。

メディアにもロシア嫌いの傾向があるだけでなく、好戦的な傾向もあり、これらも世の中を混乱させる一因であるとのこと。



日本にいるとロシア批判の新聞やニュースばかりであるから「世界はみなウクライナ(アメリカ)を支持している」と誤解しそうなのだが、よく見てみると中立派はもちろん、ロシアに制裁を科していない国も結構多い。

アメリカの影響力の弱体化もあるのだろうが、それ以外には家族制度や宗教的な点によると指摘されている。

このあたりの詳細を知りたい方は、是非この本を読んでみてほしい!

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