2022.08.06 Saturday

歴史の予兆を読む 池上彰 保阪正康

池上彰氏と保阪正康氏が対談形式で、日本、世界が抱える問題点を読み解いていく本。

保阪氏の本は今まで読んだことがなく初めて目にしたのだが、斬新な視点が面白い。

序章の「ウクライナの運命」では、プーチン大統領の考えを分析し、どういう意図をもってウクライナ侵攻に至ったのか、プーチンの世界観などを分析している。
また現代の戦争は情報戦の重要度が高まっており、ウクライナの戦い方を例にとって解説している。

個人的には、ロシア分析に関して池上さんは佐藤優氏から大きな影響を受けているような気がする。

「日本の常識、非常識」では、世界の常識から遅れを取っているジェンダーに対する考え方、ジェンダーと言えば森喜朗会長が女性蔑視発言を繰り返し、世界から非難された東京オリンピックが思い出される。
世界のスタンダートから大きく逸脱している組織委員会に怒りを覚えたトヨタ自動車は、オリンピック開会式に参加せず、CMも流さなかったとのこと。
私は恥ずかしながらこの事実を知らず、この本で初めて知ることができた。

「時代転換の芽」では、過去と現在の忖度、旧日本軍とNHKの忖度に関して実例を交えて解説しており、それ以外にも天皇を軸に時代転換について考えている。

それ以外では、格差問題、環境問題、リーダー論といった多くの人々が興味を持ちそうなテーマを分かりやすく解説しており面白い。



個人的には、池上彰氏の本は何冊も読んでいるので、今度は保阪正康氏の他の本を読んでみたくなった。

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