2021.10.08 Friday

デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える 堤未果

2021年9月1日よりデジタル庁が発足するなど、デジタル化を加速させようとしている日本政府。

ただちょっと待って欲しい。このデジタル化は本当に日本の為になるのだろうか?

そのあたりを堤未果さんが分かりやすく解説してくれている。

本のプロローグで引用されているSF作家のアーサー・C・クラーク氏の

「技術はある地点から、専門家以外には魔法と区別がつかなくなる」

この言葉が私にはとてもインパクトがあり脳裏に焼き付いている。

私は、日系大手IT企業で営業やマーケティングを行っているのだが、正直最新のIT技術を完全に把握できているわけではない。

私に限らず、営業系やバックオフィス系だとIT企業勤務であってもすべてを把握できているわけではなく、いや技術者の場合でも自分の担当以外のソリューションは理解できていない場合も多々あるように思う。

一般の方々はもちろん、お歳を召された政治家の皆さんが正確に把握できているとは思えない。

そのような状況で急激にデジタル化を進めて、我々の生活に問題はないのであろうか?

例えばビジネスパーソンだけでなく、学生の方などもオンライン会議ツールZoomを利用したことがあるかと思う。

この会議の暗号キーが中国北京にあるサーバーを経由しているらしいのだ。

そうなると、政府や企業の重要なオンライン会議の内容が筒抜けになる危険性が高いので、アメリカやドイツ、台湾などではZoomの利用は控えるようにと指示がでているらしい。

またTikTokも同様のリスクがあるのだが、日本ではどちらも積極的に利用されている。



これに加えて、今の社会では重要な情報をクラウド化することは普通のことだとは思うが、外交や安全保障、そしてマイナンバーカードのような個人情報(資産情報や健康情報も紐づけられている?)が外資系企業のものだった場合に、何かあった際に国家として責任が取れるのだろうか?

普段やや右寄りの意見を主張されている政治家の方々が、これを許している理由が私には理解できない。

IT業界にいる方はもちろん、それ以外の方にも、日本の将来のために読んでほしい本である。

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