2021.05.03 Monday

ニッポン 未完の民主主義 池上彰 佐藤優

本日は憲法記念日ということで、池上彰氏と佐藤優氏が民主主義について解説した本をご紹介。

「感染症が世界的に広がると、各国は国境を閉ざし、外国人を締め出す。
その一方、国内では厳しい規制を敷いて、自由な活動を抑圧する。」

このような民主主義を根本から否定するような書き出しから、この本は始まる。

第1章、第2章では日本の民主主義について解説していて、最初から舌鋒鋭く佐藤優氏が専門家の過度な登用の問題点を指摘している。

専門家会議はブラックボックスと化しやすく、代議制民主主義が相対的に軽視されていくことになるとのこと。

私自身は、普段から諮問会議の乱立の問題点を指摘しているにもかかわらず、新型コロナウイルス対策におけるこの問題点に気づいておらず反省しなくてはならない。

なお「自由なき福祉」という言葉を用いて、この例を含むさまざまな民主主義の危機について解説してくれている。

またSNS等で芸能人が賛同したこともあり大きな話題になった検察官の定年延長問題について、検察に民主主義を託そうとする危険性について、逮捕歴のある(笑)佐藤優氏が大きな問題である旨を指摘している。

ちなみに、これらは序盤の十数ページで扱っているテーマで、上記のような内容に興味があれば、絶対に面白い本である。

佐藤優氏につられて、池上彰氏まで政権に関してかなり手厳しい。

Go To トラベルを推進したとされる自民党の二階幹事長、政策提案をしようと思って説明しても、聞き終わると「だから何なんだ」と言ってしまうらしい(笑)

論理に対して論理で対抗するということをしないのである。

こんなのが与党幹事長で日本は大丈夫なんだろうか?



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