2020.10.13 Tuesday

暴走する検察 歪んだ正義と日本の劣化 神保哲生 宮台真司

神保氏と宮台氏が、弁護士で元検察官の郷原信郎氏、同じく弁護士で元検察官の市川寛氏、林眞須美死刑囚の主任弁護人である安田好弘氏、映画監督の周防正行氏、法学者の足立昌勝氏、弁護士の今村核氏といった有識者を招いて、それぞれのテーマで鼎談を行なう本なのだが…

実は神保氏と宮台氏があまりにも熱すぎて(笑)招かれた有識者の方の意見があまり聞けないのがやや難点なのだが、日本の司法の問題、検察の在り方について分かりやすく指摘してくれている。

日本において、警察による逮捕後48時間以内に検察に送致し、検察ではまず10日間勾留が続き、やむを得ない場合に限りさらに10日間延長されることとなっている。

ところが先進国では、勾留機関は2〜3日で日本のように長期間勾留する国はなく、長期間勾留してからの供述は証拠能力が問われるとのこと。

確かに何日も留置所に入れられ、精神的に参ってしまったところででた供述を証拠にするのはいかがなものだろうか?

またこの取り調べは可視化されていない密室で行われており、弁護士の立ち合いも認められないというのは世界では異例のことで、国際社会では現代の制度とは思えないような制度のそうである。

確かに、自分が司法試験合格した検事と法律で議論しろと言われても、こちらの粗探しをする検事と対等に戦うのは難しい。

個人的に私が物事の本質をついていると思えたのが、いわゆる冤罪で嫌疑をかけられた人ほど、いずれ捜査機関も裁判所も分かってくれると真面目に戦わないらしい。

一方、本当に犯罪を犯した不届き者ほど刑を逃れようと一生懸命戦うそうである。

そうすると罪を犯した者が刑を免れ、罪を犯していない者が刑を科せられるということが起きてしまうのではないか?



「疑わしきは罰せず」が基本であるはずが、この国においては疑わしいだけで有罪になってしまいそうで怖い…

そんな検察の改革は必要なのだが、検察を悪用しようとする政治家は多いが、真剣に改善しようという政治家はいないように思える。

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