2012.05.04 Friday

政権交代とは何だったのか 山口二郎

民主党政権のブレーンであり、“自民党から民主党へ”の政権交代を支持していた山口二郎・北海道大学教授の本。

民主党のブレーンなのだから、民主党政権のふがいなさへの言い訳がメインかと思いきや、民主党政権の問題点をきっちり指摘している点はさすがである。



鳩山政権〜菅政権〜野田政権と続く民主党政権を、時系列で語っており分かりやすい。
私が“最初”の失敗でかつ“最大”の失敗であったと思っている「政権交代直後の自民党政権下で作られた予算の凍結と再編成」に関してなどは、まさにその通りである。
自民党政権下で作られた予算を、予算編成能力がないのにもかかわらず、一から作り直そうとするから無理があるのである。
(元経済産業省の古賀茂明氏も、この点を指摘していたはずである)
これは仰る通りなのだが、山口教授の立場なら、鳩山政権が予算再編成を試みた時に、止めることができたのではないか?

また政党のベクトルとして“最重要”である外交・防衛に関する考え方で、大きな隔たりがある民主党政権では、外交面で話がまとまらないのは無理もない。
「政権交代」という旗印の下に集まり、それだけを目指していた集団が、目的を達成してしまうと脆いものがある。

「税制」「社会保障」「沖縄基地問題」「マニフェスト政治」と、それぞれのテーマごとに問題を指摘している点なども興味深かった。

後半では「自民党へのエール(らしきもの)」「ねじれ国会の問題点」「政治学論」と、本のタイトルとは若干離れてしまっていた気がする。

とは言え、読んでもらいたい本であることは間違いない。

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