2022.03.05 Saturday

地政学入門 佐藤優

佐藤優氏による地政学に関する講義をテキスト化したもので、口語体で話しかけるようで読みやすい。

ちなみに2021年11月に発売された本と思って購入したのだが、2016年7月に晶文社より刊行された『現代の地政学』を改題のうえ、再編集を行い加筆修正したものとのこと。

そのためここで取り上げる事例が少し古いものなのだが、地政学の考え方を理解するには有益な本だと思う。

地政学というのは基本的にユーラシアの話で、もっと言うと東欧の話。

東欧を抑えることができればユーラシアを抑えることができ、ユーラシアを抑えれば世界を抑えることができるとのこと。

また現代の世界で地政学を基本として国家を動かしている国は、ロシアとドイツではないかとのこと。

そう聞くとロシアのプーチン大統領がウクライナ侵略するのも頷ける…

ナチスドイツも地政学を重視していたようで、少し恐ろしい考え方なのかもしれない。

イギリスの政治学者で地政学の発展に大きな影響を与えたマッキンダーによると、「ハートランド」という地政学上の要となる場所が2つあるらしい。

1つはユーラシア、もう1つはサハラ砂漠の下の南アフリカ。

このような理由から、ナチスドイツもロシアも東欧を抑え込もうとするのだが、東欧の国々からするとたまったものではない…

地政学からは話が少しそれるのだが、ロシア流の歴史教育は自国をかなり美化した教科書を完全丸暗記されるらしい。



ウクライナの宗教についての情報など、現在の国際情勢を理解するために読んでおいたほうがよい本だと思う。

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