2021.08.10 Tuesday

真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960 池上彰 佐藤優

佐藤優氏は「左翼の時代」が再び到来すると思っており、その前に日本の近現代史を「左翼の視点」から捉え直す作業を行なうことが、今後の時代を生き抜く道標になると考えているとのこと。

現在の社会の大きな問題となっている「格差の是正」「貧困の解消」は、左翼が掲げてきた論点そのものである。

そこで今までも多くの共著を出してきた池上彰氏と、対談形式で振り返る。

序章で「左翼とは何か?」について解説している。

日本のメディアで、野党側をリベラルと称しているのをよく目にするのだが、多くの人は「リベラル=左翼」と思っていないだろうか?

本来の意味では、リベラルは自由主義者であるため左翼とは対立的な概念なのである。

また共産党と社会党の違いを、お2人の独自の視点で解説している点も面白い。

このように序章にて、左派の概要を予習したうえで本編へ。



第1章 戦後左派の巨人たち(1945-1946年)

第2章 左派の躍進を支持した占領統治下の日本(1946-1950年)

第3章 社会党の拡大・分裂と「スターリン批判」の衝撃(1951-1959年)

第4章 「新左翼」誕生への道程(1960年-)

このように時代ごとに細かく区切って、太平洋戦争終了後からさかのぼっていくのだが、戦後の混乱期に日本社会党と日本共産党それぞれに大物がいて理論武装をしていった。

正直初めて聞いた名前も多く読み終えるのは大変だったが、とても勉強になる1冊だった。

ちなみに池上さん148ページの朝鮮戦争は1952年ではなく、1950年開戦です。

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