2021.03.17 Wednesday

弱い男 野村克也

ノムさんの本といえば「組織論」「マネジメント」「勝つための戦略」について野球を例に話をすることが多かったように思える。

それらはテスト生から這い上がってきた苦労はあったとはいえ、陰陽でいえば「陽」に関する内容であった。

この本は、陰陽の「陰」の部分が大半を占める本であり、正直あまり知りたくなかった野村監督の一面、サッチーが亡くなったことで生きる意欲や喜びを失ってしまった“野村克也”という1人の男について書かれている本である。

私は今までノムさんの本を何冊も読んできたのだが、初めて聞く話も多く、最初から最後まで新鮮な内容に感じられた。

知将とまで言われたノムさんですら、1人の人間であり、人は弱い生き物だなと思わせる一冊であった。

また全く逆のことで矛盾してしまうが、サッチーの話の章を読むと、人は強い生き物だなと思えたのは私だけだろうか?



最後にノムさんは弱い男だったのかもしれないが、運を持っている男であり、ここ一番では誰かが味方してくれる男だったようにも思える。

高校進学時は兄の助けがあり、学校の先生の助けで南海ホークスのテストを受験、苦手な遠投も先輩の「前から投げろ!」との助言でクリア、パ・リーグ一筋だったにもかかわらずヤクルトスワローズの社長からの監督打診、もちろんテレビでのボヤキ解説で引っ張りだこと、正直愛されるキャラクターで強運を持っている男だったように思える。

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